ロシア軍はこれまでの大規模攻撃でも200〜300機程度のドローンを使うことが多かったとされる。今回の約800機という規模はそれを大きく上回り、防空網を飽和させる狙いがあったとウクライナ側は分析している 。
西部ザカルパッチャ(トランスカルパチア)州では爆発が相次ぎ、ウジホロドの建物がドローン攻撃で被害を受けたとの報告も出た 。
攻撃がNATOの東端に近づいたことで、隣国も即座に対応を迫られた。
ロシア製のシャヘド型ドローンがウジホロド周辺まで到達したとの情報を受け、スロバキア政府はウクライナとの国境検問所の運用を一時停止した 。
当局は、ドローンの追加攻撃や撃墜された機体の破片が国境付近に落下する可能性を懸念。検問所は約1時間ほど閉鎖された後、安全が確認されてから再開されたという 。
NATO加盟国が戦闘の影響を受けて国境対応を取るのは異例で、戦闘が同盟圏のすぐ隣まで迫っていることを示す出来事となった。
ウクライナ当局の発表では、今回の攻撃による被害は広範囲に及んだ。
報告されている主な被害は次の通り。
ウクライナ政府は、この攻撃の狙いは大量のドローンで防空システムを圧迫することだったと指摘している 。
攻撃が西部まで拡大したことで、周辺国は警戒を強めた。
ポーランドは、国境近くで攻撃が発生したことを受けて戦闘機を緊急発進させ、空域の監視を強化した 。
一方、ハンガリーでは新政権が強い外交対応を取った。西部ザカルパッチャ州はハンガリー系少数民族が多く住む地域でもあるため、政府は攻撃を強く非難し、ロシア大使を外務省に召喚した 。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この対応を歓迎し、ロシアの攻撃は「ウクライナだけでなくヨーロッパ全体への脅威」だと述べた 。
今回のドローン攻撃は、ウクライナ国内の戦闘にとどまらず、東欧・中央ヨーロッパの安全保障環境にも直接影響を与えていることを示した。
ウジホロドのようなNATO国境都市が攻撃圏に入ったことで、国境閉鎖や戦闘機の発進など、周辺国の安全保障対応が即座に発動される状況が生まれている。
つまり、この戦争の空中戦は今やウクライナ国内だけでなく、NATOの境界線そのものに緊張をもたらす段階に入っていると言える。