その後、南北関係は急速に悪化し、外交対話や交流はほぼ停止状態となった。こうした状況の中で、北朝鮮チームが韓国の地で公式試合を行うのは極めて異例とみられている。
今回の準決勝は特に次の点で歴史的とされた。
この訪問が可能になった最大の理由は、試合が政府間の交流イベントではなく国際大会の公式試合だったことにある。
大会はアジアサッカー連盟(AFC)が主催するAFC女子チャンピオンズリーグの一部で、トーナメントの組み合わせによって両クラブの対戦が決まった。
準決勝は2026年5月20日、韓国・水原での一発勝負として開催された。
このように国際競技団体の枠組みで行われる試合は、二国間の政治交渉を必要としないため、緊張関係の中でも実施しやすいとされる。
北朝鮮側は選手27人とスタッフ12人の計39人の代表団を韓国に派遣した。
試合は韓国国内で大きな注目を集めた。雨の中でも多くの観客がスタジアムを訪れ、南北対戦を見守ったと報じられている。
スタンドでは特徴的な光景も見られた。
一方で、この「両方を応援する雰囲気」には批判もあった。水原のホーム試合なのにホームアドバンテージが弱まるのではないかという指摘だ。
こうした反応は、この試合が単なるスポーツ以上の象徴性を持っていたことを示している。
ピッチ上では北朝鮮のクラブが粘り強さを見せた。
ネゴヒャンは逆転で勝利し、北朝鮮の女子クラブとして初めてAWCL決勝進出を果たした。
決勝では、日本の日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦する。ベレーザはもう一つの準決勝でメルボルン・シティを3–1で破り決勝へ進んだ。
決勝戦は2026年5月23日、同じく韓国・水原で開催される予定となっている。
外交関係が停滞する中、専門家は国際スポーツ大会を南北が直接接触できる数少ない場の一つと指摘している。
その理由には次のような特徴がある。
そのため、今回のような試合は外交関係を大きく変えるものではないものの、世界で最も緊張が続く地域の一つで短い接点を生む出来事として注目されている。