検出が1つのウイルス対策製品だけに限られていないことから、少なくともこのインストーラーは実行しないのが妥当です。一方で、スキャナーの検出結果だけでファイルの全挙動が分かるわけではなく、誤検知の可能性をあらゆる面で排除できるわけでもありません。被害者数や、実行後に実際に何が起きたのかを示す完全な技術分析も、現時点では提示されていません。
ドライバーのインストーラーは通常、システムに変更を加えるため管理者権限を要求します。もし問題の実行ファイルが悪意のあるコードを含んでいた場合、システム設定の変更、データの窃取、追加コンポーネントのインストールなど、より大きな権限を必要とする処理が可能になるおそれがあります。Tom's Hardwareも、ドライバーインストーラーに組み込まれたマルウェアは管理者権限を得る可能性があると指摘しています。
これは管理者権限で実行されることを前提にしたリスク評価であり、このファイルが実際に考えられるすべての動作を行ったことを示す証拠ではありません。安全性を確かめる目的で、予備のPCなどで試しに実行するのも避けるべきです。
GEEKOMによると、問題のインストーラーは、新しいサポートシステムへの移行後も古いサポートページに残っていました。そのページは通常のサイト内ナビゲーションからは外れていたものの、検索エンジンに登録された古いリンク経由でアクセスできる状態だったとしています。
同社は、現在のドライバーページを確認した結果、同様の問題は見つからなかったと説明。また、GEEKOM製品のハードウェアや、ミニPCにプリインストールされているWindowsには影響しないとしています。旧ファイルとページを削除し、リソース管理や確認手順を強化する方針も示しました。
GEEKOMはVideoCardzに対し、当初の記事を削除するよう求めました。しかしVideoCardzは、ファイルがGEEKOM自身のインフラからダウンロード可能だったという記事の中心的な主張は正しく、GEEKOMもその事実を認めているとして、削除には応じませんでした。
なお、重要な点が1つ残っています。GEEKOMは、マルウェアとして検出された実行ファイルがどのようにアーカイブへ入り、なぜサーバー上に残り続けたのかを説明していません。旧ページがアクセス可能だった理由は説明されていますが、ファイルの出所そのものは明らかになっていません。
対象アーカイブをダウンロードした、または問題のインストーラーを保存している場合、GEEKOMの案内に沿った基本的な対応は次のとおりです。
ここで重要なのは、「アーカイブをダウンロードしたこと」と「インストーラーを実行したこと」は同じではないという点です。ダウンロードしただけなら、ファイルを削除することで対応でき、PCが侵害されたと直ちに判断する必要はありません。一方、実行するとインストーラーに高い権限が与えられる可能性があります。
今回のGEEKOM事案は、旧サポートページからダウンロードできたLANドライバーアーカイブ内の実行ファイルに関するものです。工場出荷時のWindowsイメージ自体にマルウェアが含まれていた事案とは異なり、提供された報道では、GEEKOMのミニPCにプリインストールされたWindowsは影響を受けていないとされています。
したがって、古いドライバーインストーラーをダウンロードも実行もしていないユーザーについて、プリインストール環境を通じて問題のファイルを受け取ったことは、提供された情報からは確認されていません。実行したユーザーは、通常のファイル削除だけで済ませず、スキャンやクリーンインストールを含む、より慎重な対応を取るべきです。