拡大されたブラックリストに名を連ねる他の有名企業の株価は、ほとんど動じなかった。検索大手の**百度(09888.HK)は早朝の取引で約0.4%上昇し、電気自動車(EV)メーカーの蔚来(Nio)も値を上げた 。EV大手の比亜迪(BYD, 01211.HK)**もアリババや百度と共に新たにリストに加わったが、同日の具体的な日中株価は、参照した記事では個別に報じられていない
。
米国防総省は、2021会計年度の国防権限法に基づき義務付けられている「セクション1260H」リストを更新。中国の「軍民融合」戦略に関連していると主張する企業を正式に指定した 。この指定は、即座に制裁や輸出規制を発動するものではない。しかし、最近の米国法の下では、防衛総省はリスト掲載企業からの物品・サービスの調達や契約を段階的に禁止される方向にある
。
更新されたリストには、軍との関連が疑われる中国企業188社が名を連ねており、これは前回の約130社から増加している 。6月9日の正式な官報掲載に至るまでには、紆余曲折があった。2026年2月、ペンタゴンは一度このリストを官報に掲載したものの、説明のないまま直ちに取り下げるという前代未聞の事態が発生していたのだ
。市場はこの6月の正式発表の数ヶ月前から、すでに最初の衝撃を経験していたことになる。
この対照的な市場の反応は、明確なパターンを示している。米国のバイオテクノロジー企業や防衛関連の収益源に大きく依存している企業ほど、売りが膨らんだのだ。特に薬明康德は、米国の製薬・バイオ企業との契約研究・製造パートナーシップに事業の多くを依存しており、「軍事関連」というレッテルによる風評被害や事業への影響がより大きいと見なされた。
アリババや百度にとって、その痛みは極めて限定的だった。多くのアナリストは、中国の大型ハイテク銘柄にとって、米国の地政学的リスクはすでに株価に織り込み済みであると指摘する。これらの企業は過去数年にわたり、前政権下での投資制限や厳しい監視をすでに経験している。今回のブラックリスト入りは、米国政府調達以外の中核的な商業事業を実質的に変化させるものではなかったのだ。
一部の銘柄で反応が限定的だったことは、ペンタゴンの主張の実質に対する市場の懐疑的な見方も示唆している。アリババと薬明康德はともに、この指定は「根拠がなく誤り」であると反論しており 、2月のリスト掲載と撤回という「お手つき」のエピソードが、このリストの持続性に対する不確実性の認識をすでに生んでいた。