2026年8月28日、北朝鮮と関連づけられているハッカー集団 Lazarus Group(ラザルス・グループ) のウォレットから、244.148 BTC が移動した。送金時点の価値は約 1,942万ドル だった。ブロックチェーン分析会社Lookonchainが動きを報告し、関連報道ではArkham Intelligenceによるウォレットのラベリングも引用されている。受け取り側のアドレスは、公開情報からは特定されていない。
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ただし、ここで確認できるのはビットコインがあるアドレスから別のアドレスへ移動したという事実までだ。今回の取引だけで、売却、現金化、資金洗浄の経路、最終的な受益者 が判明したわけではない。
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8月28日に何が起きたのか
Lookonchainは、Lazarus Groupに関連づけられたウォレットが再び活動を始め、244.148 BTC(約1,942万ドル相当)を移動したと報告した。関連報道では、Arkham IntelligenceがこれらのウォレットをLazarus Groupに帰属させていることも伝えられている。
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一方、公開報道では、送金先が次のどれに当たるのかは明らかになっていない。
- 集中型暗号資産取引所
- ミキサーなど、資金の追跡を困難にするサービス
- Lazarus Groupまたは北朝鮮関連組織が管理する別のウォレット
この点が重要なのは、ブロックチェーンが記録するのは資産の移動先であって、アドレスの管理者や取引の目的ではないためだ。送金先の特定には、アドレスのクラスタリング、取引所の記録、捜査機関などによる追加の証拠が必要になることが多い。
3回の送金で約4,380万ドル
8月28日の移動に先立ち、Lazarus Group関連とされるウォレットでは、次の大規模な送金も確認されていた。
| 日付 |
移動したビットコイン |
報告時の価値 |
公開情報で確認された送金先 |
| 2026年7月30日 |
121.5 BTC |
約774万ドル |
特定されていない2つのアドレス 3 7 |
| 2026年8月12日 |
262.2 BTC |
約1,664万ドル |
新たに作成されたアドレス 8 14 |
| 2026年8月28日 |
244.148 BTC |
約1,942万ドル |
公開特定されていない 9 10 |
それぞれの送金時点で報告された評価額を合計すると、3回の移動額は約 4,380万ドル。約1か月の間に、Lazarus Groupに関連づけられたウォレットから相当額のビットコインが動いたことになる。
ただし、ドル換算額は当時のビットコイン価格に基づく推計であり、現在のコインの価値を示すものではない。
8月12日時点では、監視対象となっているLazarus Group関連ウォレットのオンチェーン資産が、BTC、USDT、ETHを中心に 7,306万ドル超 と報告されていた。
8 これは複数の監視対象ウォレットをまとめた数字であり、8月28日の送金元となった特定ウォレットの残高を直接示すものではない。
送金元ウォレットにいくら残っているのか
8月28日の送金元ウォレットについて、送金後の正確な残高は、提供された公開報道から一貫して確認できない。ある報道では、関連資産をまとめたポートフォリオが約 4,000万ドル で、そのうち 267.526 BTC が約2,097万ドル相当とされている。
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ただし、単一ウォレットの残高、複数アドレスをまとめたクラスタの残高、Lazarus Group全体に関連づけられた監視資産は、それぞれ異なる指標だ。公開情報から言えるのは、最近の送金後もLazarus Group関連とされるウォレットが相当額の資産を保有しているという大枠までであり、8月28日の送金元に残る金額を独立に検証した単一の数字ではない。
Bybitのハッキング事件とつながっているのか
8月28日の送金が、特定のハッキング事件の収益であることは、現時点で公に証明されていない。注目を集めている背景には、2025年2月21日に発生したBybitの暗号資産流出事件 がある。この事件では、約 15億ドル 相当の仮想資産が盗まれた。
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米連邦捜査局(FBI)はこの盗難について北朝鮮の関与を認定し、活動名を 「TraderTraitor」 と呼んだ。FBIによると、盗まれた資産の一部はビットコインなどに交換され、その後、複数のブロックチェーン上にある数千のウォレットへ分散された。
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Bybitはその後、北朝鮮、同国の偵察総局(RGB)、Lazarus Groupを相手取り、米国で民事訴訟を起こした。特定された盗難資産の凍結も求めている。
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こうした事情から、Lazarus Groupとラベル付けされたウォレットの新たな動きは、捜査機関や取引所、ブロックチェーン分析会社の監視対象になりやすい。しかし、それだけで8月28日に移動した244.148 BTCがBybitから盗まれた資産だと断定することはできない。また、コインが売却されたことを示す証拠にもならない。
北朝鮮関連の暗号資産窃取、その規模
今回の約1,942万ドル相当の送金は、Bybit事件と比べれば小さい。それでも、北朝鮮関連の攻撃者による暗号資産窃取が続いているとされる中で、監視上の意味を持つ動きだ。
民間の業界推計では、北朝鮮関連の攻撃者は2025年に 20億2,000万ドル 相当の暗号資産を盗み、2026年4月までの暗号資産ハッキング被害額の 76% を占めたとされる。ただし、これらは民間企業による推計であり、政府による確定的な集計ではない。
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また、この数字は北朝鮮関連の攻撃者全体を対象にした推計だ。8月28日に動いたウォレットやLazarus Groupの保有残高と、そのまま比較できる数字ではない。
米国の制裁も背景の一つだ。提供された報道では、Lazarus Groupは北朝鮮に関連する制裁対象のハッカー集団とされ、米財務省外国資産管理室(OFAC)は2022年に同グループを特別指定国民(SDN)リストに掲載したと説明されている。
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まだ分かっていないこと
今回の取引をめぐっては、少なくとも次の点が未解明のままだ。
- 受け取り側のアドレスを誰が管理しているのか。 取引所、ミキサー、既知のLazarus Group関連ウォレットのいずれかは、公開情報で特定されていない。
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- 換金を試みたのか。 ウォレット間の移動だけでは、売却や法定通貨への交換を意味しない。
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- Bybit事件と関係があるのか。 8月28日の送金とBybitからの盗難を、取引単位で結びつける公的な確認は示されていない。
- Lazarus Groupが現在どれだけの資産を管理しているのか。 特定ウォレット、統合ポートフォリオ、監視対象クラスタでは集計範囲が異なるため、数字を単純に合算して確定残高とすることはできない。
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現時点で最も慎重な見方は、Lazarus Groupに帰属すると分析されたビットコインウォレットが、7月と8月に相次いだ大規模送金に続いて、さらに多額のBTCを移動させたというものだ。今回の動きは捜査機関やコンプライアンス担当者にとって重要な監視シグナルだが、ブロックチェーン上の1件の取引だけでは、資金の最終的な行き先や目的までは分からない。