この仕組みによって、企業側には次のようなメリットが生まれます。
Bankedはこれらの機能を、オンラインチェックアウトの中でカードやデジタルウォレットと並ぶ支払い方法として提供しています。
NABは今回の買収について、企業が より速く、より低コストで支払いを受け取れるようにする ことが目的だと説明しています。
背景には、オーストラリアの決済インフラがあります。同国にはリアルタイム銀行送金の仕組みがすでに整備されており、A2A決済が普及しやすい環境が整っています。こうした市場でBankedの技術を自社サービスに深く統合することで、NABは企業向け決済サービスを強化できます。
実際、NABは以前からBankedに関わっていました。同行のベンチャー投資部門 NAB Ventures は早い段階から出資し、2024年にはすでにBankedのPay by Bank技術を顧客向けに導入していました。
買収前のBankedは、複数の著名投資家から資金調達を行っています。
主な調達内容は次の通りです。
これらを合わせ、Bankedの累計調達額は 5000万ドル以上 に達しています。
Bankedの創業者兼CEO ブラッド・グッドオール(Brad Goodall) は、今回の買収によってスタートアップの技術と大手銀行のスケールが結びつき、Pay by Bankの普及が加速すると説明しています。
同氏は以前から、銀行口座から直接支払う仕組みは世界的に拡大しており、企業向け・消費者向けの両方で需要が高まっていると述べていました。
Bankedは消費者向けサービス拡大の一環として、2025年に英国の決済アプリ VibePay を買収すると発表しました。これは、ポイントや特典などの仕組みでPay by Bankの利用を広げる狙いがありました。
しかしその後、一部報道ではVibePayが資金問題などで 2026年初めに清算手続きに入った とされています。ただし、この経緯については主要な一次情報で完全に確認されているわけではなく、報道にはばらつきがあります。
そのため、Bankedが英国や米国での戦略を完全に放棄したと断定するのは難しい状況です。ただし、NABによる買収によって 事業の重心がオーストラリアの決済エコシステムにより近づいた ことは確かだと見られています。
NABの動きは、銀行業界の大きな流れを示しています。多くの銀行が、カードネットワークやフィンテックウォレットに対抗するため 口座間決済インフラ への投資を強めているのです。
Pay by Bankが広く普及すれば、オンライン決済はより高速で低コストになり、資金の流れがカードネットワークではなく銀行システムの中で完結する可能性があります。
NABにとってBankedの買収は、その未来の決済モデルをオーストラリア市場で主導するための重要な一手と言えるでしょう。