試合の転機は前半32分に訪れた。オーストラリアのロック、マイルズ・アマトセロが、自陣ゴールライン目前のラックで、日本代表キャプテンワーナー・ディアンズの頭部に肩から危険なクリーンアウトを行い、イエローカードが提示された。この判定はハーフタイム前に20分間のレッドカードに格上げされ、ワラビーズは後半開始時から14人での戦いを強いられることになった。
しかし、オーストラリアはこの逆境にあっても崩れなかった。むしろ、14人で戦った時間帯に、対する日本に1トライしか許さず、自らは2トライを挙げる力強さを見せた。キスHCはこの「粘り強さとキャラクター」を今後のチーム作りの基盤にできると語っている。
オーストラリア(5トライ):
日本(4トライ):
オーストラリアのリザーブメンバーは、後半に決定的な役割を果たした。特にプロップのタニエラ・トゥポウは、70分にチームを35-25とリードする決勝トライを挙げ、さらに終了間際には試合を決めるターンオーバーを奪う活躍を見せた。同僚のアンガス・ベルも、トライの起点となるボールジャックを見せるなど、両プロップの奮闘が光った。この肉体的な優位性が、ワラビーズをレッドカード後の危機から救ったと言える。
日本代表キャプテンのワーナー・ディアンズは、敗れたチームからマン・オブ・ザ・マッチに選出された。78分のトライを含む終始圧巻のパフォーマンスでチームを牽引し、試合を最後の最後までハラハラさせる創造した。
レズ・キスHC(オーストラリア) は試合後、オーストラリアのスポーツ配信サービス「Stan Sport」のインタビューでこう振り返った。「本当に厳しい試合だった。コンディションだけじゃなく、相手も強かった。日本のチームは速く、ハードにプレーする。ホームの彼らの庭では危険な相手だ。しかし、我々の選手たちはハートと根性、キャラクターを見せてくれた。勝ちは勝ちだが、やるべきことはたくさんある。」 また、チームが日本の速いテンポに「巻き込まれた」という指摘を否定しつつ、もっと試合運びを改善する必要があると語った。
エディー・ジョーンズHC(日本) は、「最後の20分間で、いくつかの基本的なミスで自らチャンスを逃してしまった。オーストラリアが一人少ない時間帯に試合を決めるチャンスがあったのに残念だ。ただ、選手たちのハードなプレーには誇りを持っている。このチームにはまだまだ成長の余地がある。」 と悔しさをにじませた。
これで日本代表は、オーストラリアとの対戦成績を0勝9敗とした。日本がワラビーズから勝利を挙げたことは未だない。両チームはこの2試合シリーズの第2テストを控えており、日本は史上初の勝利と、エディー・ジョーンズHCにとっての古巣からのリベンジを目指す。
なお、キスHCは前任のジョー・シュミットHCから引き継ぎ、今回の勝利でワラビーズはテストマッチ連勝を2に伸ばした。