さらに市場を刺激しているのが、ETF(上場投資信託)に関する動きです。
資産運用会社グレースケール(Grayscale)は、既存の「Grayscale Zcash Trust」を**現物ETFに転換するための登録書類(Form S‑3)**をSECに提出しました。承認されれば、NYSE Arcaで「ZCSH」というティッカーで取引される可能性があります。
暗号資産市場では、ETFの可能性が浮上するだけでも資金流入の期待が高まり、価格の強い上昇要因になることがよくあります。
ただし、今回の急騰には市場構造による要因も大きく関わっています。
価格が上昇するにつれて、ZECの下落に賭けていたトレーダーのショートポジションが次々と清算されました。ショートが強制決済されると、取引所はポジションを閉じるために資産を買い戻すため、価格上昇がさらに加速します。
実際、今回の上昇局面では
・約2800万ドル規模の清算
・それ以前の上昇でも約6000万ドルのショート清算
この連鎖的な買い戻しが典型的なショートスクイーズを生み、短時間で価格を大きく押し上げました。
Zcashの市場は、ビットコインやイーサリアムと比べると流動性が低いという特徴があります。
大きな上昇にもかかわらず、一部のアナリストは慎重な見方を示しています。
主な理由は次の通りです。
・上昇の一部が実需ではなくデリバティブ市場のポジション調整によるもの
・ETFはまだ申請段階で承認は確定していない
・プライバシーコインは依然として規制や上場廃止リスクに直面しやすい
Zcashが670ドルを突破した背景には、次の4つの要因が重なっています。
・SEC調査終了による規制リスクの後退
・機関投資家によるポジション構築
・初のプライバシーコインETFへの期待
・デリバティブ市場での大規模ショートスクイーズ
これらの要因が同時に作用したことで、ZECは急速に再評価されました。ただし、上昇の一部は市場構造によるものでもあるため、今後は高いボラティリティが続く可能性があると指摘されています。
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