8月6日から7日にかけての夜、西部ノルトライン=ヴェストファーレン州メッヘルニヒにあるブンデスヴェーア(ドイツ連邦軍)の兵站施設上空で、6機の不審なドローンが確認されました 。この基地ではパトリオット防空システムの整備・修理が行われており、地下約130メートルには機密性の高い地下軍事倉庫も存在します 。警備員は午後10時から午前5時までの間に侵入を観測 。警察はこのドローンが最大航続距離400kmの「Fly-380 VTOL」モデルである可能性を指摘しており、遠方から発進した可能性が示唆されています 。事案は軍警察からドイツ連邦保安当局に引き継がれました 。
リベリア船籍のばら積み貨物船「EMIL」(ハンブルクの海運会社ヨハン・M・K・ブルーメンタール社運航)が、オデーサ沖約21海里(約39km)でロシア軍の攻撃ドローンによる複数回の攻撃を受けました 。船は航行不能となり火災が発生。乗員11名は全員無事に避難しましたが、避難中にもドローンによる追撃があったと報告されています 。この攻撃は、ロシア国防省がオデーサ近郊の貨物船を標的としたと発表した、黒海における商船攻撃の激化の一環です 。
8月8日午前8時10分頃、身元不明のドローンがルーマニア領空からブルガリア領空に侵入し、国境から約100メートル内陸のヒマワリ畑で爆発しました 。爆発地点は「トランスバルカン・ガスパイプライン」のカルダム近くにある圧縮所から約1kmの位置でした。ブルガリアのルメン・ラデフ首相は、死傷者やインフラ被害はなかったものの、ドローンは「相当量」の爆薬を搭載しており、趣味用のものではないと述べました 。特筆すべきは、このドローンがブルガリア、ルーマニア双方の防空網に探知されなかったことです 。
これらの4事案は、ハイブリッド戦争の全スペクトラム——直接爆撃(ライプツィヒ)、情報収集(メッヘルニヒ)、海洋攻撃(EMIL)、エネルギーインフラ探査(ブルガリア)——をカバーしており、ドローン能力がウクライナ戦線のみならず、欧州の後方地域に対しても組織的に使用されていることを示しています。
NATO領空への恒常的な侵入。 民生用や改造ドローンは、欧州で最も機密性の高い軍事施設や民間インフラの制限空域にほぼ無力で侵入しています。2025年中、ドイツ連邦刑事警察局は軍施設、空港、防衛企業、重要インフラ上空での不審なドローン飛行を1,000件以上登録しました 。
法的・運用上のグレーゾーン。 操縦者の特定は困難で、攻撃は意図的に従来の軍事行動の閾値を下回っており、もっともらしい否認を可能にしています。
重要インフラの脆弱性。 ドブリント独内相が警告した「新たな危険の段階」、そしてラデフ首相が指摘した両国による探知不能という事実は、欧州の空港、軍事施設、エネルギーパイプライン、商船航路が低コストのドローン攻撃に対して著しく脆弱であることを浮き彫りにしています。
本記事は、独WDR、NDR、南ドイツ新聞、ロイター、AP通信、キーウ・ポスト、ブルガリア政府公式発表などの情報源に基づいています。