Twilioの調査をめぐる報道が示しているのは、AIによるカスタマーサービスへの全面的な拒否というより、顧客の基本情報や過去のやり取りが引き継がれないときに生じる不便です。注目される「78%」には、AIとの会話を終えた人だけでなく、人に切り替えた人や、不便を感じながら続けた人も含まれています。
1
「78%」の内訳を確認
報道によると、回答者の78%は、AIが自分についての基本情報を把握していないために、AIとのやり取りで問題を経験しました。その内訳は、人の担当者に切り替えた人が34%、やり取りを完全に終了した人が18%、不便を感じながらも続けた人が21%、ブランドとの接点を断った人が5%です。
1
したがって、「78%がやり取りを放棄した」と表現すると、内訳が示す内容よりも強い意味になります。やり取り自体を終えた人は18%で、ほかには人に対応を求めた人や、AIを使い続けた人もいます。別の報道では、ボットが利用者を認識できないとシンガポールの消費者の約8割がAI対応を見限る、という見出しで紹介されています。
5
顧客の認識と引き継ぎに課題
AIが再訪した顧客を認識し、過去の履歴を確認することについて、「非常に効果的」と答えた人は17%でした。また、ボットから人に対応が引き継がれる際、何らかの文脈が共有されるケースは38%だったと報じられています。
1
この数字は、顧客が人の担当者につながっても、それまでの経緯が十分に伝わるとは限らないことを示しています。ただし、38%という数字だけでは、個々の引き継ぎで具体的にどの情報が不足していたかまでは分かりません。
調査結果から言えること
今回の数字が示すのは、AIが顧客の情報を把握できないときに不便が生じるということです。内訳には、人に切り替えた人やAIとのやり取りを続けた人も含まれているため、「78%がAI対応を全面的に拒否している」と結論づけることはできません。
1
より限定的な示唆は、AIが利用者を認識し、必要に応じて人へ経緯を引き継げるかどうかが、対応の使いやすさを左右するという点です。ここで紹介した数字は、報道で示された調査結果の内訳に基づくものであり、ほかの関連指標までこの内訳が裏付けるわけではありません。