今回のリークで最も注目されたのは、メモリの配置です。
公開されたPCB写真の解析によると、基板上には合計20個のLPDDR5Xメモリパッドが確認されています。各パッケージが8GBであれば、総容量は160GBになります。
さらに配置は次のようになっていると報じられています。
これらが中央の大型GPUダイを囲む形で配置されており、大容量メモリを前提にした設計であることが分かります。
LPDDR系メモリでここまでの容量を持つGPUは珍しく、大規模モデルを丸ごとメモリに載せる推論用途を強く意識した構成と考えられています。
この20パッケージ構成から、メモリインターフェースにも注目が集まっています。
もしすべてのLPDDR5Xチップが単一GPUダイに接続される場合、理論上は約640ビットの非常に広いメモリバスになる可能性があります。
理論的には別の構成も考えられます。
ただしリークPCBでは中央に大型GPUフットプリントが1つだけ確認されているため、単一ダイ構成の可能性が高いと分析されています。
LPDDR5Xの速度次第ですが、この規模のインターフェースなら数百GB/s級の帯域が期待でき、推論用途には十分な性能になると見られています。
PCBからは、データセンター向けアクセラレーターらしい特徴も読み取れます。
特に目立つのが、基板後部に配置された12V‑2x6の16ピン電源コネクターです。
そのほか報告されている要素としては、
などがあります。これらは一般的なゲーミングGPUというより、サーバーラック向けアクセラレーターボードの典型的な構成です。
現在のAIトレーニング用GPUの多くは、超高帯域の**HBM(High Bandwidth Memory)**を採用しています。
しかしCrescent Islandでは、IntelはあえてLPDDR5Xを選択しました。
この選択にはいくつかの理由があると考えられています。
特にAI推論では、帯域よりメモリ容量が重要になるケースも多く、LPDDR5Xはその用途に適したバランスを提供します。報道でも、Crescent Islandはコスト効率の高い企業向けAIサーバー向けGPUとして位置付けられています。
こうした設計を見ると、Crescent Islandの狙いはかなり明確です。
このGPUは主に次の市場をターゲットにしています。
つまり、
のどちらでもなく、その中間に位置する大容量・高効率の推論GPUというポジションです。
Intelによると、Crescent Islandは2026年後半に顧客向けサンプリングを開始予定です。
半導体業界ではサンプリングから実運用まで数四半期かかることが多いため、市場での本格展開は2027年頃になる可能性が指摘されています(正式な発売時期は未発表)。
PCB写真だけで最終仕様が確定するわけではありませんが、今回のリークはIntelの戦略をかなりはっきり示しています。
現時点で見えてきたポイントは次の通りです。
もしこの構成が最終製品にも引き継がれるなら、Crescent IslandはHBM搭載GPUと正面競争するのではなく、容量・電力効率・コストのバランスでAI推論市場を狙うIntelの新しいアプローチになりそうです。