このセンチメントは単なる漠然とした不安ではない。オンチェーンの行動からも測定できる。Santimentのデータによると、個人の零細保有者、具体的には0~0.01 ETHを保有するウォレットは、この弱さの中で積極的に売り抜けている。4月中旬の時点で、これらのウォレットは2日間で1,791 ETHを売却しており、この売却パターンは6月まで継続している 。
Santimentの分析フレームワークは、極端な個人投資家の悲観論を「逆張りの指標」として明確に扱う 。その前提はシンプルだ。大衆のセンチメントがこの深さに達した時、それはしばしば「売りたい人はすでに売ってしまった」ことを示し、更なる下落圧力を減少させるというものだ
。
生のセンチメントスコア以外にも、いくつかのデータポイントが逆張りシグナルの「クラスター(集団発生)」を形成している。
市場を覆う恐怖とは対照的に、スタンダードチャータード銀行はイーサリアムに対する最も著名な強気の機関投資家としての立場を維持している。同行のデジタル資産リサーチ部門グローバルヘッド、ジェフリー・ケンドリック氏は、2026年を「イーサリアムの年」と位置づけ、ETHがビットコインをアウトパフォームすると予想している 。
同行の予測によれば、ETHは2026年末までに7,500ドル近辺に達する可能性があるという。これは以前の12,000ドル予想からは下方修正されたものの、現在の水準からなお360%以上の上昇余地を示す 。ステーブルコイン、トークン化された現実資産(RWA)、DeFiにおけるイーサリアムの役割を原動力とする長期テーゼでは、2030年までに40,000ドルという価格目標を掲げている
。
ただし、機関投資家の間でも意見の隔たりは極めて大きいことに注意が必要だ。CoinGeckoは、アナリスト予測が「かつてないほど乖離している」と報じており、弱気派は1,000ドル近辺、強気派は7,500ドル超えをそれぞれターゲットにしている 。
現在のセンチメント状況は、市場がイーサリアムを「終わった」と広く宣言した2025年4月と直接的に重なる。その絶望のピークは、その後の大幅な回復と史上最高値更新の前触れだった。Santimentは、現在の環境が当時と酷似していると主張する 。
他の歴史的な先例としては、2020~2021年のサイクルが挙げられる。極度の恐怖指数、マイナスのファンディングレート、そして低いSOPR(Spent Output Profit Ratio:使用済みアウトプット利益率)が、その後の大規模な強気相場に先行した 。より最近では、2023年3月にバイナンスで観測された3週間の保ち合い(レンジ相場)の後に15%の価格急騰が続いたパターンがあり、アナリストは再びこのパターンに注目している
。
逆張り指標は市場心理を測るものさしであり、価格の底を保証するものではない。センチメントデータだけに頼った強気論が不十分である理由はいくつか存在する。
市場は、深く売られ過ぎたセンチメントが、構造的に壊れたチャートに遭遇するという、古典的な膠着状態にある。トレーダーにとって、Santimentのデータは「下振れサプライズのリスクは後退しつつある」ことを示唆するが、持続的な回復は、未だ表面化していないテクニカルかつファンダメンタルズ上の起爆剤にかかっているのだ 。
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