さらに、規制が残ってしまった部分に適用される「検閲スタイル」も選択可能に。従来の無機質な黒塗りに加え、モザイク処理や、ジーンズのショートパンツがドンと表示されるユニークなパターンも選べるようになりました。これはSwitch/Switch 2を含む全プラットフォーム共通の仕様です 。
日本を含むアジア地域は、今回のアップデートの対象外。これらの地域のバージョンは、より厳しい規制がかかったまま、露出度設定を変更する選択肢すら提供されません 。つまり、パッチが適用された後も、プレイ体験の「地域格差」は解消されていないのです。
AdHocは、今回の規制緩和にもかかわらず、2つのカテゴリーの表現が任天堂プラットフォーム上では永久にブロックされたままであることを認めました。開発者はその理由を「任天堂からのハードな要件」という言葉で説明しています 。
これらはスタジオの意向ではなく、プラットフォーム側の「絶対に交渉できない制約」であると説明されています。PCやPlayStation 5版では、こうした視覚的・聴覚的な規制をすべて自由に切り替えられることと比較すると、その違いは顕著です 。
今回の無料DLCは、2026年1月に勃発したコミュニティの反発への直接的な回答です。発売当初、他のプラットフォームには実装されていた「表現規制ON/OFF」のトグルが、Switch版だけ削除されていることが判明し、騒動に発展しました 。
AdHocのその後の説明によると、開発最終段階で突如として「特定の地域だけでなく、全世界で何らかの表現規制が必要」と通達されたといいます 。切迫した納期と限られたリソースの中で、彼らは任天堂の最も厳しい地域別レーティング基準に合わせた単一のSwitch用ビルドをリリースするという苦渋の決断を下しました。その結果、発売当初のSwitch版は、開発者の意図よりもはるかに「堅い」仕上がりになってしまったのです
。
なお、任天堂は当時、「パートナー企業のコンテンツを直接改変することはない」と声明を発表。同社はすべてのゲームに独立したレーティング機関の審査と、プラットフォームガイドラインへの準拠を求めており、問題が生じた際の対応策は開発者に委ねられていると説明しました 。
今回の「HR違反パック」は、そうしたプラットフォームの制約の中で、本来の体験を1ミリでも取り戻そうとするAdHocの誠実な試みといえるでしょう。しかし「国境」と「ガイドライン」という二つの壁が、完全な表現の自由を阻み続けています。