Zodia Custodyは2020年、スタンダードチャータードのベンチャー部門SC Venturesと資産サービス大手Northern Trustの協力で設立された機関投資家向け暗号資産カストディ企業だ。
現在は
を提供しており、商用サービスは2022年2月から稼働している。
今回の計画では、顧客向けの規制対象カストディ事業をスタンダードチャータード銀行の内部組織へ吸収する構造になる。
スタンダードチャータードはすでに、投資銀行部門(Corporate and Investment Bank)とSC Venturesの両方を通じてデジタル資産関連サービスを展開している。
これには
などが含まれる。
しかし報道によると、銀行内部のデジタル資産チームとZodia Custodyの間で似たカストディ機能が並行して存在していたため、インフラや業務の重複が生じていたという。
そのため、銀行は以下を目的に統合を進めるとみられている。
これは、銀行が暗号資産インフラを「実験的ベンチャー」ではなく、従来の金融サービスの一部として提供する方向へ移行している動きの一例ともいえる。
取引が完了すれば、Zodia Custodyの規制対象カストディ業務は、スタンダードチャータードのFinancing and Securities Services(FSS)部門に統合される予定だ。
FSSは、同行の投資銀行の中で
などを担う部門である。
つまり今回の統合によって、暗号資産カストディが従来の証券カストディと同じ銀行インフラの中に位置付けられることになる。
機関投資家の視点では、既存の銀行取引関係を通じて
の両方を同じカストディ基盤で扱える可能性が出てくる。
顧客向けカストディ事業が銀行へ移管される一方で、報道によるとZodiaの技術プラットフォーム自体は独立したSaaSとして存続する可能性がある。
この構造では
という役割分担になるとみられている。
ただし、取引完了後の
などの詳細は、現時点で完全には公表されていない。
スタンダードチャータードは近年、デジタル資産のエコシステム構築を進めてきた。
代表的な取り組みとしては
などがある。
同行は、顧客に対して
といったデジタル資産ライフサイクル全体のサービス提供を目指している。
今回の統合は、それらの機能を銀行本体の顧客基盤により近づける狙いがある。
今回の買収はすでに
の承認を得ているが、まだ正式に完了してはいない。
取引成立には
などを満たす必要がある。
そのため、Zodia Custodyのカストディ事業がスタンダードチャータードのFinancing and Securities Services部門へ正式に統合されるのは、これらの条件がクリアされた後となる。
Zodia Custodyはもともと、機関投資家が安全に暗号資産市場へ参入できるようにする目的で2020年に設立された。
今回のように銀行がその機能を自社の投資銀行部門に取り込む動きは、暗号資産カストディが
「フィンテックの新興サービス」から「銀行の標準サービス」へ変わりつつあることを示している。
機関投資家にとっては、従来の証券カストディと同じ銀行インフラを通じてデジタル資産を扱える環境が、今後さらに広がる可能性がある。