今回の資金は欧州・北欧の金融機関による銀行団が提供している。参加しているのは次の5機関。
この融資はナルヴィク近郊のAIデータセンター建設を継続するためのもので、電力インフラ、サーバー設備、そして大量のGPUを収容する施設整備に使われる予定だ。
今回の契約には、もう一つ重要な仕組みがある。
それが **同額の7億9,000万ドルの「アコーディオン(拡張)ファシリティ」**だ。
これは必要に応じて追加借り入れができる仕組みで、もし利用されれば:
を実現できるとされる。
AIデータセンターは需要が急拡大しているため、こうした段階的に資金を引き出せる構造は大型インフラ案件では一般的だ。
ナルヴィクのこの施設は、もともと OpenAIの「Stargate」AIインフラ構想の一部として計画されていた。
しかしOpenAIとNscaleの間で 最終的な容量契約が成立しなかったため、計画は実現しなかった。
その結果、空いた計算能力を Microsoftが引き受ける形で参入。プロジェクトのストーリーは大きく変わった。
つまり、
という構図に移行した。
MicrosoftはNscaleとの提携を拡大し、ナルヴィクの施設で大量のAI計算資源を確保している。
主なポイントは次の通り。
Microsoftはこの施設で AI計算能力をレンタルする形で利用し、Azure AIなどのサービスに使う見込みだ。
同社はすでに 約62億ドル相当の容量投資契約をこのサイトに結んでおり、北欧でも最大級のAIインフラ導入の一つとなっている。
今回の融資は、Nscaleが急速に拡大していることも示している。
2026年には同社は 20億ドルのSeries C資金調達を完了し、企業価値は 約146億ドルと評価された。
わずか1年余りで調達した資金は 総額49億ドル以上に達している。
この資金を背景に、Nscaleは世界中のクラウド企業やAI開発企業向けに **巨大GPUクラスターを提供するインフラ企業(いわゆる“AIファクトリー”)**として急成長している。
ナルヴィクのプロジェクトは、当初のOpenAI計画が実現しなくても止まらなかった。むしろ、
という三つの要素が揃い、ヨーロッパの主要AI計算ハブの一つになる可能性が高まっている。
もしアコーディオン融資が発動し拡張が進めば、この北極圏近くのデータセンターは 欧州最大級のAI計算拠点の一つになるかもしれない。