また、現地当局は2人が負傷したと発表している。
ただし、被害の原因については双方の説明が食い違っている。
いずれの説明でも、攻撃の時間帯に施設で火災が発生した事実自体は双方が認めている。
シェスハリス石油ターミナルは、ロシア国営パイプライン企業**トランスネフチ(Transneft)**が運用する主要パイプラインの終点の一つであり、黒海からの石油輸出にとって重要な拠点とされる。
同じ夜、ロシア中部のペルミ地方グバハにある大型化学企業**メタフラックス・ケミカルズ(Metafrax Chemicals)**も攻撃対象になったと報じられた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ保安庁(SBU)のドローンが**「ロシアの重要な軍事関連企業の一つ」**を攻撃したと発表し、その施設がメタフラックスであると説明した。
ゼレンスキー氏によれば、この攻撃の結果、工場の生産プロセスは停止したという。
メタフラックスはロシア有数の化学メーカーで、同社の製品は多くの産業に供給されている。報道によれば、爆薬やミサイル関連部品など軍需産業に関わる製造工程にも使われる化学材料の供給源になっているとされる。
一方、ロシアのペルミ地方当局も地域の工業施設がドローンの標的になったことは認めたが、具体的な施設名や被害の詳細は明らかにしていない。
初期情報では、死傷者は確認されていないとされている。
また、独立した情報源による被害評価は限られており、実際の物理的損傷の程度はノヴォロシースクほど明確には確認されていない。
今回の標的は、いずれも戦略的な意味を持つ施設だった。
ノヴォロシースク
黒海沿岸の主要港で、ロシアの石油輸出にとって重要な物流拠点。パイプラインから運ばれる原油や石油製品が海外市場へ出荷される。
メタフラックス化学工場
化学原料を供給するロシアの産業基盤の一部で、爆薬など軍事関連製造にも関係する可能性がある。
つまり、これらの攻撃はエネルギー輸出と軍需産業という二つの重要分野を同時に狙った形になる。
ウクライナは2022年のロシアによる全面侵攻以降、ロシア国内の石油関連施設や軍需産業施設を狙う長距離ドローン攻撃を継続してきた。
ロイターの試算によると、2026年1月から5月までの攻撃だけでも、約70万バレル/日の石油精製能力が停止または影響を受けたとされる。
さらに、2026年5月の報道では、ドローン攻撃によって中央ロシアの主要製油所が操業停止または大幅減産に追い込まれたとされ、影響を受けた精製能力は**年間8300万トン以上(ロシア全体の約4分の1)**に達する可能性があると報じられている。
このような攻撃の目的として、専門家は主に次の点を挙げている。
今回の攻撃については、多くの情報が出ている一方で、いくつかの点は依然としてはっきりしていない。
それでも今回の出来事から明らかなのは、ウクライナが数百キロどころか1000km以上離れたロシア国内の戦略施設を狙える能力を拡大しているという点である。