最大の注目点のひとつが、TSMCの2nmプロセス(N2)で製造されるA20 Proチップです。これはアップルとして初めてスマートフォンに搭載する2nmチップとなり、前世代のA19と比較してCPU性能が約15%向上し、消費電力が最大30%改善される見込みです 。また、WMCM(ウェハレベルマルチチップモジュール)パッケージングが採用される可能性も指摘されています 。
この効率向上は極めて重要です。デバイス上の高度なAI機能や、新たにGeminiを搭載したSiriを支えるとともに、大容量バッテリーの搭載を可能にし、バッテリー駆動時間を犠牲にしない設計を実現します 。
iPhone史上初めて、Proモデル両機種のメインカメラ(48メガピクセルFusionカメラ)には機械式可変絞りが搭載される見込みです 。固定のF1.78レンズに代わり、F1.4からF4.0の範囲で絞りを物理的に調整できるようになり、光量、被写界深度、露出をユーザーがリアルタイムでコントロールできるようになります 。
サプライヤーによる部品生産はすでに始まっており、今回のカメラの進化は、計算処理による画質向上ではなく、光学系そのものの刷新が目玉となることを示しています 。また、メインカメラのイメージセンサーには、ソニーに代わってサムスン製の3層構造センサーが採用される可能性もあります 。
両Proモデルは、iPhone 17 Proの8GBから12GBのRAMに増量される見込みです 。これは、端末上で動作するAI処理を支えるために必要な措置です。バッテリー容量も大幅に増加し、Pro Maxでは約5,000mAhに達する可能性があるとのリークもあります(iPhone 17 Pro Maxは約4,685mAh)。
多くのユーザーにとって最大の関心事は価格でしょう。アップルのティム・クックCEOはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、世界的なメモリチップ不足を理由に値上げが「不可避」であると認めています 。各アナリストの予測は以下の通りです。
これらの数字を合計すると、米国でのiPhone 18 Proの販売開始価格は1,299〜1,399ドル(約19万〜21万円)になる可能性があります。Pro Maxはさらに高額になると見られます 。
値上げの根本原因は、DRAMとNANDフラッシュメモリの世界的な不足です。AIデータセンターが世界のDRAM供給量の推定70% を消費しており、メモリ価格は前年同期比で63〜75%も高騰しています 。サムスンやマイクロンなどのメモリメーカーは、AIサーバー向けのエンタープライズグレードメモリの生産にシフトしており、コンシューマー向け電子機器への供給が圧迫されています 。
その結果、iPhone 18 Proに搭載される12GBのDRAMのコストは、iPhone 17 Proの約39ドルから、最大145ドルへと272%も上昇する可能性があります 。NANDフラッシュのコストも急激に上昇しています 。
iPhone 18 Proシリーズは、チップ技術、カメラハードウェア、そして発売戦略において真の革新をもたらす、記念碑的な製品になりそうです。しかし、その革新には高い代償が伴います。そして、その値上げの主な理由はアップル自身にあるのではなく、世界中のメモリ供給を枯渇させているAI産業の急成長にあるのです。