今回の決算の核心は、単に売上高が減ったことではない。売上高よりも利益がはるかに速いペースで減少しており、コスト上昇と事業構成の変化が、トップラインの縮小以上に収益を傷つけたことを示している。
スマートフォン事業にとって最大の重荷となったのは、DRAMやNANDといったメモリーの価格上昇だった。シャオミは製品価格を引き上げ、より高価格帯の端末へ製品構成を移行した。その結果、スマートフォンの平均販売価格(ASP)は過去最高を記録したが、メモリーなど部品コストの急増を完全に吸収することはできなかった。
この結果は、需要が弱い局面で「プレミアム化」に頼ることの限界を示している。高価格帯への移行や値上げは1台当たりの売上高を支えられる一方、販売台数を減らす可能性がある。さらに、端末1台当たりの部品原価が上昇すれば、出荷台数が減った状態では収益への負担が一段と重くなる。
今回の予想比評価は、参照する予測データによって結論が変わるため、単純ではない。
ロイターはLSEGのデータを引用し、アナリストが調整後純利益を平均約66億元と予想していたと報じた。実績の62億元は、この予想を約4億元下回った。同じ報道では、売上高のコンセンサス予想は1,122億元とされ、実績の1,089億元を上回っていた。
一方、決算発表前の機関投資家予想には、売上高を1,088.23億元とするものもあり、この場合、実績はほぼ予想どおりだった。また、調整後純利益を61.6億元とする別の予測もあり、実績に近い水準だったが、これは単独の予測であり、アナリスト全体のコンセンサスを示すものではない。
したがって、慎重に言えば、シャオミは広く引用された調整後純利益のコンセンサスを少なくとも1つ下回った。一方、売上高は、事前の一部予想には沿ったものの、ロイター/LSEGの高い予想には届かなかった。GAAP純利益については信頼できる比較可能なコンセンサスが確認できないため、予想を上回ったか下回ったかを断定することはできない。
そのため、単一の「市場コンセンサス」と実績を機械的に比較するより、報告された全体粗利益率19.8%を主要な結果として見るのが妥当だ。前年同期の22.5%から大きく低下したことこそ、今回の決算で確認すべきポイントである。
調整後利益の落ち込みがより大きいことは、メモリーコストの上昇、競争激化、消費者需要の弱さが、通常の事業運営による収益力を大きく損なったことを示している。GAAP純利益は金額ベースでは調整後純利益を上回るが、比較可能なアナリスト予想が確認できないため、GAAPベースでの予想比評価は控えるべきだ。
シャオミは2026年に55万台を納車する目標を掲げている。これは前年の販売実績約41万台を基準にすると34%増の目標だ。一方、ある市場報道によると、2026年上半期の納車台数は18万5,055台にとどまった。
市場関係者はこの目標について、達成の難度が高まっており、新モデル「SkyNomad」の急速な立ち上げと強力な実行力が必要だと指摘している。目標が不可能という意味ではないが、下半期には納車ペースを大きく加速させなければならない。そのため、次回以降の決算では、販売台数だけでなく、その成長にどれだけコストがかかったのかも焦点になる。
価格競争力を保てば納車台数や市場シェアを支えられる一方、1台当たりの利益は抑えられやすい。したがってEV事業は、納車台数の伸びだけで評価することはできない。車両価格、1台当たりの採算、規模拡大によって赤字を縮小し、持続的な利益に近づけるかが重要になる。
損益計算書の内容に比べ、市場の初期反応は前向きだった。香港上場のシャオミ株は、スマートフォン事業の圧力が最悪期を越え、下半期にはメモリー価格の上昇ペースが鈍化する可能性があるとの会社説明を受け、早朝取引で6.8%高の27.96香港ドルまで上昇した。
決算前の市場には大きな変動も織り込まれていた。オプション市場は、決算後に株価が上下どちらにも3.6%動く可能性を示していた。これは、直近8回の四半期決算後における平均変動率2.8%を上回る水準だった。
株価の上昇は、今回の利益水準そのものを高く評価したというより、部品コストの圧力が和らぐ可能性や、将来的なEV事業の規模拡大に投資家が注目した結果とみられる。ただし、その見方はまだ条件付きだ。メモリー価格が実際に落ち着き、スマートフォン需要が安定し、EV事業が過度な値引きなしに利益を生み出せることを、シャオミは今後の決算で示す必要がある。
シャオミの第2四半期決算は、同社が事業転換の途中にあることを浮き彫りにした。スマートフォンでは高価格帯製品への移行によって平均販売価格を過去最高に押し上げたが、その効果はメモリー価格の高騰と出荷台数の減少を補いきれなかった。調整後純利益は売上高を大幅に上回るペースで減少し、全体の粗利益率も19.8%に低下した。
EV事業は急速に成長し、シャオミに2本目の成長エンジンをもたらしている。しかし、現時点ではなお赤字で、2026年の55万台という高い納車目標にも課題が残る。株価の上昇は、投資家が現在の利益率の底よりも、メモリーコストの緩和とEVの将来の規模拡大に目を向けていることを示唆する。
今後の本当の確認材料は、納車台数の増加だけではない。コスト圧力の緩和が粗利益率の改善につながるのか、そしてEVを含む成長投資が実際に持続的なキャッシュ創出と利益に結びつくのかが問われる。