Xiaomiの2026年第2四半期(4〜6月期)は、主力のスマートフォン事業がメモリーなど部品価格の高騰と競争激化に挟まれ、利益が大きく落ち込んだ。調整後純利益は前年同期比42.6%減の62億元、売上高は6.1%減の1089億元となり、いずれもアナリスト予想を下回った。
1
4
一方で、同社は下期にメモリー価格の上昇ペースが鈍化すると見込み、製品構成や発売スケジュールを見直したと説明している。今後は、スマホ事業のコスト圧力が和らぐかに加え、電気自動車(EV)や人工知能(AI)などの新規事業をどこまで成長させられるかが焦点になる。
2026年第2四半期の主な決算
Xiaomiの四半期業績は、売上高と調整後利益の双方で厳しい内容となった。
- 売上高: 1089億元、前年同期比6.1%減。
4
- 調整後純利益: 62億元、同42.6%減。
1
4
- スマートフォン売上高: 421億元、同7.5%減。
1
- スマートフォン粗利率: 8.5%。前年同期の11.5%から低下。
1
- スマートフォン出荷台数: 3120万台、同26%減。
1
スマートフォンの出荷台数は、これで2四半期連続の減少となった。
1 ただし問題は販売台数だけではない。販売を維持できた端末についても、メモリーやその他の主要部品の調達コストが上昇し、1台当たりの採算が急速に悪化している。
なぜスマホの利益率は低下したのか
Xiaomiによると、歴史的な高水準にあるメモリー価格やその他の部品コストが利益率を圧迫した。競争も激しく、コスト上昇分をすべて販売価格に転嫁するのは難しい状況だという。
1
3
高価格帯モデルの比率を高めれば、平均販売価格の上昇によって収益性を改善できる可能性はある。しかし、ストレージなどの部品価格がそれ以上のペースで上昇すれば、その効果は打ち消される。
1
3
Xiaomiは特にメモリー価格の影響を受けやすい。報道によれば、同社のスマートフォンは半数超が200ドル未満の価格帯にあるため、コスト上昇を吸収できる余地が限られている。
1 値上げをすれば需要を損なうおそれがあり、値上げを抑えれば利益率が縮小するという構図だ。
その結果、スマートフォンの粗利率は前年同期の11.5%から8.5%へ大幅に低下した。
1 売上高と出荷台数の減少も重なり、主力事業が利益を稼ぐ力そのものに強い打撃を受けたことが分かる。
Xiaomiは下期の圧力緩和を見込む
決算の数字は弱かったものの、経営陣の見通しはやや前向きだ。Xiaomiは、下期にはメモリー価格の上昇ペースが鈍化し、スマートフォン事業への圧力は最も厳しい局面を越えたとの見方を示した。
1
同社はコスト環境に対応するため、製品構成や新製品の投入時期も調整したという。こうした対応は部品の調達や在庫管理、利益率の防衛に役立つ可能性がある。
ただし、回復が約束されたわけではない。メモリー価格が実際に安定するか、競争環境のなかでXiaomiが価格を維持できるかが重要になる。下期のスマートフォン出荷台数と粗利率は、コスト圧力が本当に弱まったかを測る分かりやすい指標になりそうだ。
EVとAIが成長戦略の中心へ
Xiaomiは、成熟したスマートフォン市場への依存を下げるため、EVやAIなど新規事業への投資を進めている。EV・AIなどを含む新規事業の売上高への寄与は18.3%から23%へ拡大し、スマートEVの売上高は15.9%増の239億元となった。
1
4
この多角化は、弱含む中国の自動車需要や、中国メーカーによる海外展開の加速に対応するための成長策でもある。
1 投資家にとっても、Xiaomiをスマートフォンメーカーとしてだけでなく、EVやAIを抱える複合テクノロジー企業として評価する必要性が高まっている。
同社は2027年に欧州のEV市場へ参入する計画も示している。
1 欧州展開は長期的な成長機会になり得る一方、EVは規模の確保に加え、各国の規制や販売網、製品投入の実行力が問われる資本集約型の事業でもある。
今回の決算が示すXiaomiの課題
今回の決算は、Xiaomiが単純に需要を失っているというより、事業モデルの転換期にあることを示している。会社全体ではなお利益を確保しているものの、主力スマートフォン事業はメモリー高と競争激化によって、利益率と販売数量の両面で圧力を受けた。
1
4
今後の回復シナリオは、主に次の3点にかかっている。
- 下期にメモリー価格の上昇が鈍化すること。 経営陣はこの展開を見込んでいる。
1
- 製品構成や価格戦略によってスマホの利益率を守ること。 大幅な出荷減を招かずに実現できるかが問われる。
- EV、AIなどの新規事業が十分な速さで拡大すること。 スマホやIoT事業の弱さを補える規模に成長する必要がある。
現時点で見通しは一色ではない。利益と売上高は大きく減少し、スマートフォン出荷台数も2四半期連続で落ち込んだ。一方、EVなど新規事業の寄与は着実に高まっている。次回決算では、部品価格の落ち着きがスマホ事業の採算改善につながるのか、そしてEV・AIへの転換が実際の利益成長に結びつくのかが注目される。