この統合が目指す顧客接点は、主に次の3段階です。
ウォルマートとVibe.coは、この組み合わせによって、ストリーミング、買い物、そしてより広い購買行動の流れを、広告主にとってよりシームレスで測定しやすく、効果的かつ利用しやすいものにする考えを示しています。
約14億ドルという金額は、ウォルマートの公式発表で確認された数字ではありません。ウォール・ストリート・ジャーナルが関係者の話として報じたもので、ウォルマートの買収発表と完了発表はいずれも財務条件を開示していません。
そのため、現時点で正確に表現するなら「約14億ドルと報じられた買収」です。報道の一部では、約12億ドルの現金と、Vibe.coの幹部向けの約1億8,000万ドルの継続報酬を含む内容とも伝えられていますが、これらの内訳はウォルマートの公式発表では明らかにされていません。
ただし、両社の買収はCTV戦略の異なる部分を補強します。
| 買収 | 主な役割 |
|---|---|
| Vizio | スマートTVのハードウェア、TV向けOS、コネクテッドTVの視聴者へのアクセスを提供。 |
| Vibe.co | 複数の配信事業者にまたがるストリーミングTV広告の出稿・運用・効果測定を支援。 |
Vizioがテレビ本体と視聴環境におけるウォルマートの基盤を広げたのに対し、Vibe.coは広告主側のキャンペーン計画や自社運用型の広告購入機能を加える位置付けです。両方の取引を通じて、ウォルマートはCTV広告の接点、広告購入ツール、コマースとの連携をそれぞれ強化しようとしています。
今回の買収の中心にあるのは、テレビを売ることよりも、ウォルマートの広告インフラを広げることです。Vibe.coをWalmart Connectに統合することで、ウォルマートはCTVを、ブランドが消費者に接触し、広告を買い物行動と結び付けられる新たな広告チャネルとして位置付けています。
短期的には、ストリーミング配信事業者を横断した広告キャンペーンを、より簡単な操作で実施できるようにすることが焦点です。長期的には、ストリーミングでのリーチ、ウォルマートでの購買シグナル、キャンペーンの効果測定を一体化したコマースメディアの提供を目指すとみられます。
つまり、Vibe.coの買収はVizioの買収と重複するというより、補完関係にあります。VizioがCTVの視聴基盤を支え、Vibe.coが規模の異なる広告主にとってその基盤を使いやすくする役割を担う構図です。