攻撃のペースはさらに加速しており、5月にはいくつかの画期的な攻撃が発生した。
ロシアの戦略は、大量の低コスト攻撃型ドローンと高価値の精密誘導兵器を組み合わせ、ウクライナの防空能力を圧倒することにある。直近の攻撃で使用された具体的な兵器を見ると、その絵図がはっきりと浮かび上がる。
こうした複合的な脅威に対抗する上で、IRIS-Tは単なる追加装備ではない。短・中距離防空システムとして、巡航ミサイルやドローン、航空機の迎撃に非常に高い効果を発揮し、短距離の機関砲ベースのシステムと、長距離のパトリオットミサイルの間にある重大な作戦上の隙間を埋める存在だ。中距離型は、最大40kmの距離、高度20kmまでの目標に対処できる 。
発射機が1基増えるごとに、都市や重要インフラの周囲に展開できる「防衛の傘」が直接的に拡大する。ゼレンスキー大統領は一貫して、これらのシステムによって「何千、何万もの命が救われてきた」と強調している 。しかし、発射機はミサイルがなければ高価なレーダーを搭載したトラックに過ぎない。将来を見据え、ウクライナは18基の新型中距離IRIS-T SLMシステムを発注しているものの、今まさに戦場で直面しているのは、配備済みシステムの弾薬不足という差し迫った危機である
。
問題は二重構造だ。第一に、ウクライナは高価で高度な西側の迎撃ミサイルの継続的な供給を確保しなければならない。第二に、ロシアの安価で大量のシャヘド系ドローンに対し、経済的に太刀打ちできるよう、国産の低コスト迎撃ドローンやミサイルの生産拡大を急いでいる。ミハイロ・フェドロフ国防相によれば、ウクライナが拡充中の短距離防空ネットワークは、攻撃の激しさが35%増す中でも、迎撃ドローンによる撃墜率を劇的に向上させ、その割合を4ヶ月で倍増させたという 。
ドイツによる新たなIRIS-T発射機の供与は、かけがえのない人命救助につながる重要な一歩だ。しかし、キーウからのメッセージは紛れもなく明確である。ハードウェアは届きつつあるが、「空を守る盾」を完全に機能させるためには、その盾を支えるミサイルの大規模かつ継続的な注入なしには不可能なのだ。
Comments
0 comments