AI向けデータセンターの建設が進めば、銅の需要は大きく伸びるかもしれません。ただし、投資計画が発表されたことと、施設が予定どおり完成して銅が実際に使われることは別の話です。
ロンドンで2026年10月20日に開かれたBloombergの「Base Metals」イベントで、Trafiguraの金属分析責任者ヘンリー・ヴァン氏は、大手クラウド事業者(ハイパースケーラー)の投資計画から、AIインフラ向け銅需要が2028年に年間250万~300万トンになる可能性が読み取れると述べました。Trafiguraが2026年の需要を約100万トンと見積もっているのに対し、最大で約3倍となる水準です。
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ただし、これは発表済みの計画に基づく需要シナリオであり、すべてのデータセンターが建設されることを保証する予測ではありません。市場がこの数字をどこまで織り込むか、建設の時期や規模がどうなるかが焦点です。
250万~300万トンは「計画が示す需要」
Bloombergが伝えたヴァン氏の試算は、AIを支える大規模なクラウド計算やデータセンターの建設計画から導かれたものです。
1 電力設備や配線などに銅を使う施設の建設が進めば需要は増えますが、計画の遅れや見直しがあれば、実際の消費量も想定を下回る可能性があります。
同イベントの議題には、AIやデータセンター、関連する電力インフラに加え、供給制約や貿易政策の不確実性も含まれていました。
2 こうした背景を踏まえると、最大300万トンという数字は確定した需要予測ではなく、建設計画が実現した場合のシナリオとして読むのが適切です。
約160万トンという慎重な見方も
別の二次報道では、2028年のAI関連銅需要について、より慎重な市場見通しとして約160万トンという数字が紹介されています。
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8 それでも、2026年の約100万トンという水準を上回ります。
一方、利用できるBloombergの記事の抜粋では160万トンという数字は確認できず、その算出方法も示されていません。
1 また、ヴァン氏が最大ケースを「基本シナリオではない」と明言したかどうかも、今回確認できる資料からは裏付けられません。確実に言えるのは、発表済み計画に基づく高い試算と、二次報道に登場するより慎重な数字とを区別する必要があるということです。
LME Weekの投票で銅の得票率は低下
別のLME Week討論会では、「今後、最も上昇余地がある金属はどれか」を会場に尋ねる投票が行われました。Fastmarketsによると、討論前に約4分の3を集めていた銅の得票率は、討論後には50%に低下。スズは26.5%でした。
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これは参加者の意見を尋ねた投票であり、データセンターの建設見通しそのものを測ったものではありません。また、得票の変化だけから、参加者が考えを変えた理由や建設遅延の可能性を数値化することもできません。とはいえ、AI関連の需要期待をめぐって議論があったことを示す一つの手がかりです。
他のTrafigura幹部について確認できること
Reutersの再掲載記事によると、Trafiguraのグレーム・トレイン氏は、銅の見通しは複雑で、AIデータセンターが需要を押し上げる一方、その需要が弱まる可能性もあるとの見方を示しました。記事の抜粋には推計を引き上げたとの記述もありますが、変更の背景や前提を詳しく説明する情報は確認できません。
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また、別のSNS投稿は、チーフエコノミストのサード・ラヒム氏が、主要な工業用金属の需要は次の10年間に前の10年間の2倍のペースで伸びるとの見通しを語ったと伝えています。ただし、この投稿は銅だけの需要予測を示すものではなく、発言をAIデータセンター需要に直接結びつけてもいません。
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詳細な数字は、確認できる資料が限られる
今回利用できる記事の抜粋からは、データセンターが現在の銅需要に占める割合、今後5年間で追加される需要が100万~200万トンになるとの見方、2026年に米国で約90万トンが備蓄されたという数字、2027年に約200万トンの新規供給が加わるという主張は裏付けられません。また、データセンター建設がなければ2026年の銅需要が減少するという説明も確認できません。
これらを確かめるには、イベントの詳しい報道や発言記録が必要です。現時点で最も確かな結論は、ハイパースケーラーの計画が2028年までのAI関連銅需要の大幅増を示唆する一方、実際の需要の規模と立ち上がる時期には不確実性が残る、という点です。