TECNOがIFA 2026で最も注目を集めたのは、すぐに買える新製品ではなく、Next-Gen Bezelless Concept Phoneだった。これはディスプレイの表示領域が本体フレームへそのままつながっているように見せる試作機で、狭額縁スマートフォンにも残る黒い縁を視覚的に消すことを目指している。TECNOはこれを「真の0mmディスプレイボーダー」と呼ぶ。
2
21
「0mmベゼル」は何を指すのか
ここでいう0mmは、表示が有効な領域と本体外周のフレームの間に見える境界のことだ。近年のフルスクリーン端末でも、この部分には一般に約1〜2mmの黒い帯が残る。TECNOによれば、既存のベゼルを単純に細くしたのではなく、内部部品の積層、構造、画面パッケージングを見直してディスプレイ構造そのものを再設計したという。
2
23
実機を試した報道では、正面から見る限り画面はフレームまで達しているように見える一方、斜めの角度からよく見ると、ほんのわずかな黒い色味が確認できるとされる。つまり、正面視ではきわめて説得力のある表示効果を実現しているが、あらゆる角度で境界が完全に見えない、という意味ではない。
13
構造面では、背面側からディスプレイを組み込む方式を採用する。実機レポートによると、2層のカバーガラスの下層がフレーム下まで延びており、ディスプレイを背面から挿入した後、接着剤で固定する構成だという。
13
なぜ「製品」ではなくコンセプトなのか
TECNOは、この端末を商用生産する計画を発表していない。
21 そのため、日常使用に重要な耐久性、防水性、修理のしやすさ、長期信頼性、量産時の歩留まりといった点は、まだ判断できない。
操作性も重要な論点だ。実質的に非表示領域がない画面では、手のひらとタッチ操作面の物理的な距離が縮まる。TECNOはタッチ感度の調整に言及しているが、IFAでの報道では、盛り上がったフレームが端からのジェスチャー操作に干渉する可能性も指摘された。長期の独立検証は、現段階では限られている。
1
8
したがって、この端末は完成した市販フラッグシップの代替候補というより、ディスプレイ設計技術を示すデモ機として捉えるのが妥当だ。
iPhoneと比べると、どこが違って見える?
TECNOは自社資料でこのコンセプト機をiPhone 17 Proと並べ、前面がより画面中心に見えることを訴求している。大きく湾曲したガラスで枠の錯覚を作るのではなく、4辺すべてでフラットかつ均一に画面端を見せるアプローチだ。
6
ただし、これはあくまで前面デザインの比較であり、端末全体の優劣を示すものではない。実機に基づく最も慎重な評価は、TECNOが見える黒い縁をほぼ取り除いた、特に正面からの見た目で効果が大きい、というものだ。どの視野角でも完全な「枠なし」が証明されたわけではない。
13
IFA 2026で披露されたその他のTECNO製品
MEGABOOK T15 360/T15 360 Pro
TECNOは、360度ヒンジとタッチ操作を組み合わせた同社初のノートPCシリーズ、MEGABOOK T15 360シリーズを発表した。両モデルとも15.6型タッチディスプレイを搭載し、T15 360 Proは2.5K・120Hzパネルを採用する。
22
25
欧州では2026年第4四半期の投入予定。標準モデルの価格は構成により899〜999ユーロ、Proは1,099ユーロと案内された。
25
POVA 8 Pro 5G Tonino Lamborghini Limited Edition
POVA 8 Pro 5G Tonino Lamborghini Limited Editionは、イタリアのライフスタイルブランド、Tonino Lamborghiniとのコラボレーションによる高性能志向モデルとして展示された。TECNOは、ランボルギーニから着想を得たデザインに、デュアルチップセット構成、ソニー製イメージセンサー、AI機能を組み合わせるとしている。
34
37
CAMON Slim 5Gと周辺デバイス
TECNOは、厚さ6.39mmのCAMON Slim 5Gも、CAMON Slim、MEGAPAD SE 2、Watch 4、Buds 5とともに披露した。
37 今回の展示は実験的なスマートフォン1台にとどまらず、PC、スマートフォン、接続デバイスまでを含むハードウェア群を提示する場となった。
まとめ
0mmベゼルのコンセプト機が印象的なのは、現代のスマートフォン表示に残る最後の分かりやすい「縁」を見えにくくした点にある。ただし、その価値は今のところ視覚面と技術面にある。TECNOが発売計画を示し、耐久性、タッチ操作、修理性を評価できる段階になるまでは、購入候補ではなく意欲的なコンセプトとして見るべきだろう。
13
21