従来のシリンジ式グリスとの最大の違いは、固形パッドであることによる施工性の高さだ。手でちぎって貼る、あるいは保護フィルムを剥がして載せるだけの「ピール&プレイス」方式であり、マニュアルで広げたり圧力をかけてなじませたりする必要はない 。NoctuaとCarbiceによれば、この構造は経年劣化の主因である「ポンプアウト(熱サイクルでグリスが押し出される現象)」「クラック(ひび割れ)」「ドライアウト(乾燥)」を物理的に排除するとしている
。
両社が最も注力してアピールするのが、「経年とともに熱伝導効率が安定、あるいは向上する」という点だ 。一般的なグリスは塗布直後がピーク性能で、その後は右肩下がりに劣化する。しかしCarbiceのパッドは、起動・シャットダウンや高負荷・低負荷の繰り返し(熱サイクル)によって、CPUとクーラーの微細な凹凸にナノレベルで徐々になじみ、界面の密着性が改善されるとしている。これは従来の「劣化していくTIM」の常識を完全に覆す発想だ
。
Carbiceの垂直配向カーボンナノチューブTIMは、もともと「メンテナンスが物理的に不可能」な過酷環境向けに開発された。航空宇宙、人工衛星、重要インフラといった分野では、グリスの再塗布などできず、10年単位で安定した熱伝導が求められる 。
今回の一般消費者市場への展開は、2つのチャネルで行われる。
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