メローニ首相が9月16日に伝えたメッセージは明確だ。ロシアによる欧州各地での挑発を「強さ」の証拠として受け止めるべきではない、ということである。
首相は、こうした行動を「ある種の焦り」の表れと表現した。ウクライナでの戦争がクレムリンの思惑どおりに進んでいないなか、別の問題へ注目を移そうとしている、との見方を示した。同時に、イタリアのウクライナ支援は明確であり、「一度も揺らいでいない」と強調した。
14
サルヴィーニ副首相とロシア大使の会談
メローニ氏は、マッテオ・サルヴィーニ副首相がミラノでロシア大使と会談したことへの批判にも答えた。会談は当初、ロシアで事業を行う企業に関わるものだったと説明し、ロシアとのビジネスに全面的な禁止措置が設けられたことはない、と述べた。
15
ただし、これはローマの対外政策が変わったという意味ではない。企業活動は適用される制裁制度に従う必要があり、ウクライナを支持するイタリアの政治的立場は不変だ、というのが首相の説明だった。
12
15
2026年の軍事支援は継続承認、個別の新パッケージは未確定
イタリア内閣は2025年12月、2026年を通じてウクライナへの軍事支援を続ける政令を承認した。軍用車両、軍需品、装備品の移転を認める枠組みで、支援パッケージの具体的な中身は必ずしも公表されない。
17
一方、2026年8~9月には、SAMP/T NG防空システム、Aster 30迎撃ミサイル、長距離レーダーなどを含み得る約30億ユーロの新規支援案が報じられた。しかし、グイド・クロセット国防相は8月26日、報道された第13次パッケージは正式な決定文書として採択されていないと述べた。
18
23
したがって区別すべきなのは、2026年の支援継続を可能にする既存の承認と、特定の新たな支援パッケージの詳細がまだ正式決定されていないことである。
リトアニア上空での無人機迎撃
9月15日、NATO任務に就いていたイタリアの戦闘機が、ベラルーシ側からリトアニア領空へ侵入した無人機を撃墜した。クロセット国防相は、この機体は「最も可能性が高いのはロシアから来たものだ」と述べたが、リトアニア当局は残骸の出所を引き続き調べている。
33
37
この事案は、バルト3国の領空を守るNATOのバルト空域警備任務が実際にどう機能するかを示した。領空侵犯を探知し、即時に迎撃したという点が重要である。ただし、機体の最終的な出所について公的な鑑識結果が出たわけではなく、ロシア起源との説明には調査中という留保が必要だ。
33
37
ライプチヒ空港事件でドイツがロシアの関与を認定
ドイツは、8月4日のライプチヒ空港での爆発物搭載無人機による攻撃未遂について、ロシアに責任があると結論づけた。ベルリンは、無人機の構成、部品、爆発物が、ロシアによる別のハイブリッド作戦で知られる手法と一致すると説明している。ロシア側は関与を否定している。
6
4
欧州の首脳らは、これを単なる空港保安上の単発事案とは見ていない。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ライプチヒを「ロシアに直接帰属するEU域内での新たなエスカレーション」と表現し、EUとNATOはより強い対応を取る姿勢を示した。
4
欧州が「ハイブリッド戦」として警戒する理由
リトアニアとライプチヒの事案は、領空侵犯、破壊工作の疑い、輸送・軍事関連インフラへの脅威を、欧州各国が「ハイブリッド戦」の文脈で捉える理由を映している。ハイブリッド戦とは、通常の軍事衝突には至らない手段を組み合わせ、相手の備えを試し、不確実性を生み、同盟国間の結束に圧力をかける行為を指す。
対処の前提となるのは、信頼できる帰属判断、つまり「誰が関与したのか」を根拠に基づいて確定することだ。そのうえで、防空・対無人機能力の強化、重要インフラの保護、同盟国間の情報共有、証拠に基づく外交・経済措置を組み合わせる必要がある。ライプチヒでのドイツの公的認定と、リトアニア上空でのNATOの迅速な迎撃は、事実を見極めることと、差し迫った脅威に即応することが不可分であることを示している。
4
33