つまり、画面がGoogleやWhatsAppの本物の機能に見えることは、その要求が安全であることを意味しない。
UNC6293は、米国務省職員などの政府関係者や、その他の信頼できる連絡先になりすましたとされる。標的にアプリ固有のパスワードを作成させ、それを伝えさせる手口が使われた。アプリパスワードは通常の二段階認証プロンプトを経ないアクセスにつながる場合がある。
UNC7005は、複数の手法を組み合わせた、変化の多い攻撃を展開したとされる。
UNC5976は、軍事・航空宇宙・防衛関連の職員や組織に重点を置き、ウクライナやアルメニアに関係する標的も狙ったとされる。攻撃ではOAuthによる承認を誘導し、アカウントやデータへのアクセスを得ようとしていた。
GTIGは、これらの活動全体について、ロシアとの関連性があると高い確度で評価している。ただし、これはアトリビューション(攻撃主体の帰属)に関する評価であり、すべての作戦上の詳細やクラスター間の関係が同じ確度で証明されたという意味ではない。
多要素認証(MFA)は重要な防御策だが、利用者が攻撃者にだまされて誤った操作を承認すれば、突破されることがある。
予期していないOAuthの同意画面、アプリパスワードの作成要求、WhatsAppの端末連携コードは、パスワードが盗まれていなくてもアカウント乗っ取りにつながる可能性がある。認証画面やコードを「表示されたから安全」と考えるのではなく、認証操作そのものを一つの取引のように扱い、要求元を確認することが重要だ。
GTIGが示す実践的な対策は、攻撃者が急がせようとする操作をいったん止め、別の手段で確認することだ。
最も重要な教訓は、見慣れたブランド、本物のログインページ、正規の認証機能だけでは、要求の正当性を証明できないということだ。ログインや承認を求めている人物・組織が本当にその要求を始めたのかを、別の連絡手段で確認する必要がある。