ピチャイ氏は会見で、テクノロジー業界の歴史を引き合いに出した。
急速な投資拡大の後には、急速な効率改善が起こる時期が来るというのが彼の見方だ。モデル設計、半導体、推論システムが進化することで、AIサービスの提供コストは大きく下がり、同じインフラでもより多くの処理が可能になる。
つまり、現在の巨額投資は「将来の効率化のための土台作り」という位置づけだ。
Googleは、この投資が必要な理由としてAI利用量の急増を挙げている。
同社の発表によると、Googleのサービス全体で処理されるAIトークン量は、
と急拡大している。
この需要は次の分野から生まれている。
ピチャイ氏の主張はシンプルだ。インフラ投資が増えているのは、需要がそれ以上のスピードで増えているからだという。
I/Oで紹介された例の一つが、Gemini 3.5 Flash だ。これはより高速で低コストなAIモデルで、企業や開発者がAIを使いやすくすることを目的としている。
こうした軽量モデルは推論コストを下げ、同じ計算インフラでより多くのアプリケーションやユーザーを支えることを可能にする。ピチャイ氏が語る「効率化の波」の具体例といえる。
もっとも、AIの急成長には物理的な制約もある。ピチャイ氏は次のような課題を認めた。
特に電力問題は、AIデータセンターの拡大とともに業界全体の重要テーマになっている。
今回の発言は、ピチャイ氏が2025年に示したやや慎重な姿勢と比べるとトーンが変わっている。
当時のインタビューでは、AI投資の急増には**「非合理的な要素(elements of irrationality)」があると述べ、もしAIバブルが崩壊すればどの企業も影響を受ける**と警告していた。
しかし2026年のI/Oでは、リスクを否定はしないものの、次の点をより強調した。
Googleだけがこの賭けに出ているわけではない。大手テック企業の多くが、AIチップ、巨大データセンター、クラウド基盤に巨額投資を行っている。
Googleの見方では、現在の支出ラッシュは次世代の計算プラットフォームを築くための必然的な段階だ。そして、過去のテクノロジー革命と同様、効率化が進めばAIはさらに安価で広く使われる存在になると考えている。