ゴールドマン・サックスは、世界の光トランシーバー(光モジュール)市場の見通しを大幅に引き上げた。最新予測では、市場規模は2026年に約677億ドル、2027年に1314億ドル、2028年に1485億ドルに達する。従来予測比では、それぞれ**33%、81%、115%**の上方修正である。
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ポイントは、AIサーバーの台数増加だけではない。AIインフラが、より大規模でネットワーク接続の密度が高い「ラック規模」のシステムへ移行することで、アクセラレーターやカスタムASIC(特定用途向け半導体)当たりに必要となる高速光接続が増える、という見立てだ。
出荷見通しも引き上げ、高速品に需要が集中
ゴールドマンは世界の光トランシーバー出荷量予測を、2026年から2028年にかけて従来比で21%、31%、31%引き上げた。更新後の総出荷量は、それぞれ約5億4800万個、6億9100万個、7億2900万個となる見通しだ。
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特に上方修正が大きいのは高速製品である。
- 800G以上の出荷予測は、2026~2028年にそれぞれ31%、39%、36%引き上げられた。
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- 1.6T以上は同29%、61%、50%の上方修正。ラック規模AIシステムおよびASICサーバーの増加、GPU当たりモジュール数の上昇、規格移行の加速を織り込んだ。
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- 800G以上のモジュール出荷量は、2026年7822万個、2027年1億4400万個、2028年1億7100万個と予測されている。
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- 同セグメントの市場規模は、2026年452億ドル、2027年1075億ドル、2028年1295億ドル。2026~2028年の年平均成長率(CAGR)は約**69%**に相当する。
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なぜラック規模AIが光需要を押し上げるのか
従来のAIネットワークは、主にラック内の接続が中心だった。これに対し今後は、より多数のアクセラレーターや複数ラックをまたぐスケールアップ/スケールアウト構成が重要になる。必要な帯域幅と接続数が増えるほど、光接続の比重は高まる。
ゴールドマンの先行リサーチでは、Rubin Ultra NVL576構成におけるスケールアップとスケールアウトを合わせたネットワーキング機会を約1540億ドルと試算した。GB300 NVL72周辺の約150億ドルと比べて大幅に大きい。
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これは確定した支出額の予測ではなく、設計前提に基づく分析シナリオである。ただし、AIシステムが大型化するほど高帯域インターコネクトの必要量が急増する、という今回の市場予測の論理を示している。
NVIDIA Rubin Ultraについて、ゴールドマンはGPU当たりの光モジュール搭載数の前提を見直した。1.6Tモジュールは従来のゼロから2個へ、3.2Tモジュールは3個から5個へ引き上げた。
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また、モデルにGoogle TPU v9サーバーを新たに追加。2027年下期から2028年上期にかけてはチップ当たり1.6Tモジュール12個、2028年下期には3.2Tモジュール6個を想定している。
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カスタムASICの導入拡大も重要な変数だ。ゴールドマンは、ラックレベルおよびASICサーバーの出荷増を、高速光モジュールの出荷見通しを引き上げた理由として挙げた。
3 実際の採用時期、システム設計、チップ当たりモジュール数は、今後の予測を左右する。
800Gから1.6T、そして3.2Tへ
800Gは引き続きデータセンターの重要な規格だが、予測の中心は1.6T、さらに3.2Tへの移行にある。
| モジュール速度 |
2026年の予測出荷量 |
2027年の予測出荷量 |
2028年の予測出荷量 |
| 800G |
4539万個 |
4948万個 |
4866万個 |
| 1.6T |
3283万個 |
7136万個 |
5485万個 |
| 3.2T |
— |
2304万個 |
6773万個 |
出所:Futunn/NetEaseが報じたゴールドマン・サックスの予測。
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2028年に1.6Tの出荷量が減る見込みだからといって、市場需要の後退を意味するわけではない。このモデルでは、より高速な3.2Tへの移行が始まることを反映している。2028年の3.2Tは6773万個で、800G以上の総出荷量の約**40%**を占める計算となる。
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シリコンフォトニクスが有力視される理由
高速化が進むほど、シリコンフォトニクス(SiPh)の存在感は増すとみられている。ゴールドマンの前提では、予測期間中のSiPh浸透率は800Gで約60%、1.6Tで約80%、3.2Tで約80%。800G以上の高速市場に限ると、SiPhの出荷比率は2026年68%、2027年73%、2028年**74%**と予測される。
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注目される理由の一つがレーザー費用だ。ゴールドマンが示した1.6Tモジュールの比較では、SiPh方式は70mWの連続波レーザー4基を使い、レーザー費用は合計で約15~20ドル。これに対し、EML(電界吸収型変調レーザー)方式では200G EMLを8基使い、レーザー費用は約160ドルとされる。
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これはモジュール全体の製造コストではなく、あくまでレーザー部分の比較である。それでも、ポート速度とレーン数が上がる局面で、SiPhがコスト構造上の優位性を持ち得ることを示す材料になる。
CPOは長期テーマ、プラガブルがすぐ消えるわけではない
CPO(Co-Packaged Optics、光電気共封装)は、スイッチや演算チップの近傍に光学部品を集積する方式で、ゴールドマンが描くAIネットワークの長期的な成長機会の一部だ。Rubin Ultraのシナリオでは、CPO関連部品は1540億ドルのネットワーキング機会のうち**910億ドル(59%)**を占め得ると試算している。
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ただし、この試算は高速プラガブル光モジュールが直ちに置き換えられることを意味しない。別途示された光トランシーバー予測では、800G、1.6T、3.2Tのプラガブルモジュールも2028年にかけて大幅な数量増が見込まれている。
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実際の技術構成は、システムアーキテクチャ、認定の進展、量産性、消費電力、ハイパースケーラー各社の導入判断に左右される。
Zhongji Innolightへの評価と利益見通し
今回の業界見通し引き上げに合わせ、ゴールドマンは中国の光モジュール企業Zhongji Innolightに強気の評価を示した。
- A株:「買い」を継続、12カ月目標株価は2645元。
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- H株:「買い」で新規カバレッジ、12カ月目標株価は3267香港ドル。
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- **売上高見通し:2026~2028年の売上高CAGRを78%**と予測。SiPhモジュール出荷の増加と、従来のスケールアウト接続を超えた領域への拡大が主因とする。
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- **利益見通し:2026年、2027年の純利益予測は、市場コンセンサスをそれぞれ25%、42%**上回る。
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予測を確認するための注目点
2028年の1485億ドルという数字は、確定した需要ではなくアナリストのモデルである。実現には、ハイパースケーラーがラック規模AIシステムを想定通りの時期に導入すること、カスタムASIC計画が前提通り拡大すること、そして1.6T・3.2Tモジュールが認定を終えて量産へ移ることが必要になる。
今回の上方修正が示す核心は、AIのネットワーキングが従来よりはるかに「光接続集約型」になる、という賭けだ。そのシナリオが進めば、市場成長の主役は低速品ではなく、800G、1.6T、3.2Tといった高速モジュール、そしてSiPhになる。
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