サイバーセキュリティ企業ESETの研究チームは、中国と関係があるとされる高度持続的脅威(APT)グループWebwormの最新のスパイ活動を分析し、新しいバックドア型マルウェアの存在を確認した。2025年の活動では、正規のクラウドサービスを通信経路として利用することで、攻撃の発見を困難にする新しい手法が採用されているという。
特に注目されているのが、EchoCreepとGraphWormという2つのバックドアだ。いずれも一般的なクラウドプラットフォームを通信インフラとして利用し、攻撃者の指令(C2)や盗んだデータのやり取りを隠す仕組みになっている。
ESETの分析では、今回のキャンペーンの中心となるツールとして以下の2つが確認された。
EchoCreep
GraphWorm
調査の過程で、研究者はこの攻撃に関連する400件以上のDiscordメッセージを復号し、感染端末の制御方法やデータ管理の実態を確認した。
Webwormの大きな特徴は、攻撃インフラを自前のサーバーではなく、広く使われているクラウドサービスの中に隠している点だ。ESETによると、以下のようなサービスが悪用されていた。
企業や政府機関ではMicrosoft 365やクラウドサービスの利用が一般的であり、これらを全面的にブロックすることは現実的ではない。そのため攻撃通信が通常のクラウドトラフィックに見えてしまい、セキュリティ監視をすり抜けやすくなる。
ESETの調査によると、2025年の活動ではWebwormは欧州の政府機関を重点的に狙っていた。
確認された標的の国は次の通り。
また欧州以外では、南アフリカの大学に関連する活動も確認されている。
Webwormは少なくとも2022年から活動が確認されており、過去にはTrochilusや**9002 RAT(McRat)**などのリモートアクセス型マルウェアを利用していた。
しかしESETによると、近年は以下のような方向へツールセットを変化させている。
この戦術変更にはいくつかの利点がある。
今回のケースは、近年のサイバースパイ活動に共通する傾向を示している。それは正規のクラウドサービスを攻撃インフラとして利用する手法だ。
DiscordやMicrosoftのAPIのようなサービスは、世界中の企業や政府機関で日常的に利用されている。そのため、セキュリティチームは「通常の利用」と「攻撃者による悪用」を区別しなければならず、単純なドメインブロックでは対処できない場合が多い。
ESETは、こうした攻撃への対策として
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ESETの調査によると、中国系APT「Webworm」は2025年に新しいバックドア「EchoCreep」と「GraphWorm」を導入し、欧州の政府機関を標的にしたサイバー諜報活動を拡大した。[3][7]
ESETの調査によると、中国系APT「Webworm」は2025年に新しいバックドア「EchoCreep」と「GraphWorm」を導入し、欧州の政府機関を標的にしたサイバー諜報活動を拡大した。[3][7] Discord、Microsoft Graph API、OneDrive、GitHubなどの正規クラウドサービスをC2通信やデータ移動に悪用し、通常の企業ネットワーク通信に紛れ込ませている。[2][3]
同グループはTrochilusや9002 RATといった従来型マルウェアから、より目立たないプロキシ・トンネル型ツールや軽量バックドアへ移行し、検知回避能力を高めている。[6]