BE Semiconductor Industries(BESI)
半導体パッケージング装置メーカーのBESIは、投資判断が「Hold」から「Buy」に引き上げられ、目標株価も95ユーロから125ユーロへ上昇しました。ハイブリッドボンディングなど先端パッケージング技術の需要が2026~2027年に大きく伸びる可能性が背景です。
また、Infineon TechnologiesやASM Internationalといった欧州半導体企業もポジティブなセクターストーリーの中で言及されていますが、公開情報では具体的な目標株価の変更は確認されていません。
ドイツ銀行は、欧州テクノロジーハードウェア業界を左右する主要トレンドとして、次の6つを挙げています。
DRAMやNANDフラッシュの供給が逼迫し、価格が急騰しています。DRAMスポット価格は短期間で数倍規模の上昇を見せ、NANDも同様の上昇を記録しました。こうした状況は2027年まで続く可能性があり、半導体業界の収益性を押し上げる要因と見られています。
AIの普及はGPUだけでなく、ネットワークチップやメモリー、各種コントローラなど幅広い半導体の需要を押し上げています。その結果、一般的な半導体部品でも供給が逼迫する可能性があると指摘されています。
AIデータセンターでは、より高速で広帯域な通信が必要になります。そのため、光通信(フォトニクス)や光電融合技術の採用が急速に広がると予測されています。
微細化の限界が近づく中、チップ性能を高めるために先端パッケージング技術への投資が拡大しています。特にハイブリッドボンディングなどの技術は、装置メーカーに新たな需要をもたらすと見られています。
電気自動車(EV)などで採用が進む800ボルト電源アーキテクチャは、パワー半導体の需要を押し上げる要因となります。これは欧州企業が強みを持つ分野の一つです。
AIの初期成長はクラウドの巨大データセンターが中心でしたが、今後はデバイス、車両、産業機器などで動作するエッジAIが拡大すると予想されています。これにより、半導体需要はさらに幅広い市場に広がります。
これらの要因を総合すると、半導体バリューチェーン全体で環境改善が見込まれます。メモリー価格の上昇、AIインフラ投資の拡大、そしてチップ設計や製造の複雑化は、装置メーカーと半導体メーカー双方にとって追い風となります。
ASML、STMicroelectronics、BE Semiconductor Industriesのような欧州の主要企業にとっては、売上の見通しがより明確になり、利益率回復の余地が広がる可能性があります。
もっとも、すべての企業が同じ恩恵を受けるわけではありません。それでも、ドイツ銀行の最新分析が示すメッセージは明確です。AI需要、先端パッケージング、メモリー不足という構造的要因が、欧州半導体セクターの中期的な成長を支えるという見方です。