具体例として、次のような措置を挙げている。
一部の報道では衛星システムへの妨害にも言及されたとされるが、この点は情報源によって差があり、慎重に扱う必要がある。
パヴェル氏の基本的な考え方は**「抑止」**だ。外交的抗議だけでは、ロシアにさらなる試行を促す可能性があると警告している。
この発言は、NATO東側で安全保障上の緊張が高まっているタイミングで出された。
ラトビアなどのバルト諸国では、領空内にドローンが侵入する事案が相次いでいる。最近のケースでは、ラトビアの領空にドローンが確認され、NATO戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと報告された。
ウクライナがロシアの施設に対して長距離ドローン攻撃を拡大している影響で、こうした無人機が航路を外れてNATO領域に入るケースが増えているとされる。
同時期に、ロシアとベラルーシは大規模な核演習も実施した。
数万人規模の兵力と核運用関連の装備が参加した演習で、西側との緊張が続く中で軍事的メッセージを発していると広く受け止められている。
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官も、こうした演習がNATOや欧州へのシグナルであることを認めている。
パヴェル氏が強調するのは、ロシアがNATOの集団防衛条項(第5条)を発動させる直前のラインを意図的に避ける行動を取っているという点だ。
典型例として挙げられるのは次のような行為である。
これらは明確な軍事攻撃とは言い切れないため、NATOの対応は通常、迎撃・警告・外交抗議などにとどまってきた。
パヴェル氏は、この状況が低レベルの圧力を常態化させる危険があると指摘する。
もっとも、今回の発言はNATOとしての正式な政策ではない。
欧州や同盟内でも意見は分かれている。
今回の発言が浮き彫りにしているのは、NATOが直面する大きな課題だ。
つまり、戦争を拡大させずに「グレーゾーンの挑発」をどう抑止するかという問題である。
ドローン侵入、軍事演習、サイバー活動などが続く中で、NATOが防御中心の姿勢からより積極的な抑止へ踏み出すべきかどうか――その議論は今後も欧州で続きそうだ。