2026年8月のCloudflareの「Agents Week」の中で、3つの関連発表が行われた。
research.example.cloudflare.pay)が割り当てられ、加盟店は暗号学的にエージェントが正当なユーザーの代理であることを確認できる 。この「買い手側」の発表に先立ち、Cloudflareは2026年7月に「Monetization Gateway」をローンチしている。これは、ウェブサイトやAPI、MCPツールがAIエージェントに対してアクセス料金を請求できるようにする「売り手側」の機能だ 。これら2つの製品により、Cloudflareはエージェント決済の「売り手側」と「買い手側」の両方を手中に収めたことになる 。
Cloudflareの決済システムは、ウォレットアーキテクチャ、決済プロトコル、そして本人確認の3つの主要コンポーネントで構成される。
2層構造のウォレットアーキテクチャ: 人間が所有する「Account Wallet」がステーブルコインを保持し、利用ポリシーを設定する。ユーザーはここから、各エージェントに「Virtual Wallet」を発行する。このVirtual Walletには、支出上限、利用可能な加盟店リスト、1回あたりの取引最大額が設定されており、エージェントは所有者が定めたルールを超えて支出することはできない 。
決済プロトコル: CloudflareのAgents SDKは、x402プロトコル(HTTP 402 Payment Requiredステータスコードを復活させたもの。Coinbaseが先駆者)とMachine Payments Protocol (MPP) をサポートする 。どちらもHTTP上でステーブルコインのマイクロペイメントを行う仕組みで、APIコールやデータアクセス、コンテンツに対する1セント未満の取引を可能にする 。流れとしては、クライアントがリソースを要求 → サーバーが402と支払いチャレンジを返す → クライアントが支払いを実行し、支払い証明を持って再リクエスト → サーバーが検証しリソースを提供する、というものだ 。
身元確認と信頼: 加盟店はエージェントのcloudflare.payハンドルを確認することで、そのエージェントが正当なユーザーに許可されたものであることを検証できる。これにより、これまでエージェントと加盟店間の取引を阻害してきた「このボットは本物か?」という問題が解決される 。ユーザーは必要に応じて仮名性を保つことも可能だ 。
Cloudflareのこの発表は、エージェンティックコマース(Agentic Commerce) の台頭を反映している。これは、リサーチボットやショッピングアシスタント、コーディングエージェントといったAIエージェントが、人間の代わりにWebを閲覧し、交渉し、購入するインターネットの姿だ。人間はその都度クレジットカード番号を手入力する必要がなくなる 。Cloudflareは、この新興経済圏において「誰がこのエージェントを送ったか?(身元確認)」と「どうやって支払うか?(決済)」の両方を提供するインフラレイヤーとしての地位を確立しようとしている 。
この発表は、Cloudflareがエージェンティックコマースに向けて1年にわたって進めてきた構想を完成させるものだ 。
Cloudflareは既存の決済業界と緊密に連携している。主なパートナーは以下の通り。
エージェンティックコマースの分野は、多くのレイヤーにわたって競争が激化している。主なプレイヤーは以下の通り。
決済プロトコルとウォレット
プロトコルと標準規格
AIプラットフォーム(エージェントによるショッピングを推進)
ChatGPT、Google AI Mode、Perplexity、Microsoft Copilot、Meta AI、Amazon Rufusなどが、エージェントが利用するショッピング側のインターフェースを構築している 。