これらは同じサプライチェーン、つまり半導体製造装置、ウエハー工場、先端パッケージングに依存しています。そのため、需要が同時に増えると、供給のどこかでボトルネックが発生しやすくなります。
ASMLはこの変化を、「どこにでもチップがある時代」から「どこにでもAIチップがある時代」への移行と表現しています。
AIの普及は、半導体需要の構造そのものを変えています。
巨大なAIデータセンターには、AIアクセラレータだけでなく、メモリ、ネットワークチップ、そして高度なパッケージング技術など、多数の半導体が必要です。
さらに、低軌道衛星ネットワークや高度に自動化された工場、ロボットシステムなども新しい需要源になっています。
それぞれのプロジェクト単体では市場を支配するほどではありませんが、多くの大型プロジェクトが同時に進むことで、半導体需要は急激に膨らんでいると業界は見ています。
台湾の半導体受託製造最大手TSMCは、半導体市場の長期見通しを引き上げ、2030年までに市場規模が1.5兆ドルを超える可能性があると予測しています。
この予測では、特に次の分野が成長の中心になるとされています。
TSMCは、これらが2030年には半導体需要の約55%を占める可能性があると見ています。
またAI経済を支える半導体は、AIチップだけではありません。周辺エコシステムとして次の技術も重要になります。
ASMLは半導体業界の中でも特別な位置にある企業です。
同社はEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置を製造しており、これは最先端チップの製造に不可欠な装置です。現在、この技術を大規模に供給できる企業はASMLだけとされています。
EUV装置は、シリコンウエハーに極めて微細な回路パターンを描き込み、TSMC、Samsung、IntelなどがAI向けの先端プロセッサを製造する際に使われます。
ASMLは現在、次世代リソグラフィ装置であるHigh‑NA EUVの導入を進めています。
この装置は、より高い数値開口(NA)を利用することで、シリコンウエハーにさらに微細な回路パターンを形成できます。
その結果、半導体メーカーは
なプロセッサを製造できるようになります。AIや高性能コンピューティングの将来世代に不可欠な技術と考えられています。
2025年には半導体株が不安定な動きを見せる場面もありましたが、AIインフラ投資の強さが再び投資家の信頼を高めたと指摘されています。
ASMLではAI関連の需要を背景に、半導体製造装置の受注が拡大。記録的な受注が続き、AIブームの中心企業としての存在感を強めています。
ただし、半導体市場の急拡大にはいくつかの不確実性もあります。
例えば次のような要因です。
これらが市場の成長スピードに影響を与える可能性があります。
それでもフーケ氏は、コンピューティング需要が多くの産業へ拡大している構造的変化を強調しています。AIを中心としたこの流れにより、半導体業界は今後も長期間、供給がタイトな状態に置かれる可能性が高いと見られています。