世界の半導体産業は、今後数年にわたり供給が逼迫する状態が続く可能性がある——。そう警告したのが、オランダの半導体装置大手ASMLのCEO、クリストフ・フーケ氏です。
同氏によると、人工知能(AI)を中心とした新しいコンピューティング需要が急拡大しており、AI、衛星ネットワーク、ロボットなどの分野が同時に半導体を大量に必要としているため、業界の生産能力が追いつきにくい状況が続くとみられています。![]()
さらに業界の長期予測では、半導体市場はこの流れを背景に2030年までに年間約1.5兆ドル規模に拡大する可能性があるとされています。![]()
なぜ半導体の供給不足が長引くのか
フーケ氏は、現在の半導体需要の拡大は単なるスマートフォンやPCの増加とは性質が違うと指摘します。
AIデータセンター、衛星コンステレーション、ロボット、自動化システムなどの新しい技術は、次のような幅広い種類のチップを必要とします。
- AIプロセッサ
- 高帯域幅メモリ(HBM)
- センサー
- ネットワーク用半導体
- 電源管理チップ
これらは同じサプライチェーン、つまり半導体製造装置、ウエハー工場、先端パッケージングに依存しています。そのため、需要が同時に増えると、供給のどこかでボトルネックが発生しやすくなります。![]()
ASMLはこの変化を、「どこにでもチップがある時代」から「どこにでもAIチップがある時代」への移行と表現しています。![]()
AIデータセンターと衛星ネットワークが需要を押し上げる
AIの普及は、半導体需要の構造そのものを変えています。
巨大なAIデータセンターには、AIアクセラレータだけでなく、メモリ、ネットワークチップ、そして高度なパッケージング技術など、多数の半導体が必要です。
さらに、低軌道衛星ネットワークや高度に自動化された工場、ロボットシステムなども新しい需要源になっています。
Comments
0 comments