Anthropicが2026年9月に公表した脅威インテリジェンス報告書は、内部で**「Deadshot」**と呼ばれた秘密裏の影響工作について、高い確信度でUAE(アラブ首長国連邦)政府関係者と関連していると評価した。AnthropicおよびFrance 24の報道によれば、主な標的はムスリム同胞団で、スーダン内戦におけるUAEの関与をめぐる批判への反論も狙いに含まれていたとされる。
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ただし、この指摘には重要な限界がある。Anthropicが確認・停止したのは、AIを利用した影響工作の試みであり、作成物が標的に届いたのか、政策担当者に影響を及ぼしたのか、現実世界で測定可能な成果を生んだのかは立証されていない。
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狙い:ムスリム同胞団への対抗と、スーダンをめぐる批判の回避
Anthropicは、この工作の戦略的な目的に、ムスリム同胞団を世界規模で解体しようとする取り組みが含まれていたと評価した。また、アブダビによるスーダン紛争への関与疑惑を問題視していた国連の専門家なども活動の焦点になったという。
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背景には、スーダン内戦でUAEが準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」を支援していたとの疑惑がある。UAEはこの支援を否定している。
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報告された資料からは、反ムスリム同胞団の主張を広めることと、スーダン問題に関する説明責任の追及をかわすことという、結び付いた二つの目的がうかがえる。ただし、これは工作側の意図に関する評価であり、目的が達成されたことを意味しない。
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Claudeは何に使われたのか
Anthropicによると、運用者はClaudeを使い、スーダンに関する次のようなコンテンツを生成していた。
- 報告書やアドボカシー文書
- SNS向けの投稿
- 国連での証言として提示される内容
- 国連人権理事会第62会期向けの演説原稿
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France 24は、国連人権理事会向けの演説案について、UAEへの言及を避けるよう書かれていたと伝えた。
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生成AIが影響工作で果たし得る役割は、公開投稿の量産にとどまらない。今回報告された用途には、調査報告風の文書、政策提言の文言、国際機関で用いられることを想定した資料も含まれる。Anthropicの9月報告書は、2025年12月から2026年8月にかけて同社が阻止した事案を対象とし、影響工作のほか、監視、サイバー活動、詐欺、生物学的悪用、通常兵器開発、モデル蒸留などを扱った。
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偽アカウント、なりすまし、批判者の情報収集
Deadshotは約300の非真正アカウントを運用し、実在するスイスの人権団体になりすましていたとされる。
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Anthropicはさらに、UAEとスーダンをめぐる懸念を表明していた国連特別報告者に対し、「説明責任追及への対抗文書(counter-accountability dossiers)」を作成していたと説明した。欧州議会議員18人とジャーナリストもプロファイリングの対象だったという。
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こうした内容は、特定の主張を発信するだけでなく、UAEの行為を検証・批判する立場の人物を把握し、信用を損なわせたり影響を与えたりすることも企図していた可能性を示す。一方で、個々の活動の詳細がすべて独立して検証されたわけではなく、帰属判断の根拠はAnthropicの評価である。
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Anthropicが行った対応と、なお分からないこと
Anthropicは、関連アカウントを停止してこの工作を妨害したとした。同社の脅威インテリジェンス部門は、Claudeの悪用を試みる活動を検知・阻止し、その事例を防御策の改善や幅広い安全保障上の取り組みに役立てるとしている。
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しかし報告書では、生成された資料が想定された受け手に送付されたか、説明された場で提出されたか、政策判断に影響したかは判断できなかった。
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この区別は重要だ。AIが影響工作用の資料作成に使われたという証拠だけで、その資料が人々の考えや政策を変えたとは言えない。Deadshotは、UAE政府関係者とのつながりが指摘され、阻止されたAI活用型の影響工作の試みとして理解するのが妥当であり、成功した工作の証明ではない。
UAEの反応
France 24は、記事掲載時点でUAEはこの疑惑に回答していなかったと報じた。
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