A1の赤方偏移を求めることが本研究の最大の難題でした。標準的なJWSTカタログ測光(aper_total_abmag)は、点光源用に設計されているため、このような広がったアークには不適切な結果を与えます。固定アパーチャは総フラックスのごく一部しか捉えられず、その半径が波長とともに大きくなる設計のため、偽の約1.4等級の赤い色を生み出し、実際よりはるかに高い赤方偏移を示唆してしまいます[arXiv]。
そこでダビラ氏は、拡張光源用測光(等光度フラックス、固定マッチドアパーチャ、成長曲線法)を採用し、さらにハッブル宇宙望遠鏡(HST/RELICS)のアーカイブからの強制測光を7バンドにわたって組み合わせました[arXiv]。
決定的な証拠のひとつは、HST/ACSのF435Wバンドでの明確な検出です。もしA1が非常に高い赤方偏移にあるなら、このバンドでは完全に検出されないはず(ライマン限界によるドロップアウト)ですが、実際は検出されたため、高赤方偏移の可能性は否定されました[arXiv]。
こうして導き出された測光赤方偏移はz~1.4(範囲1.2~1.7)、つまり宇宙が約40~50億歳の時代に存在した銀河であることが示されました。原始宇宙の天体ではありませんが、それでも遠い過去の姿です[arXiv]。
A1は、公開されているZitrin-LTM-Gaussレンズモデルにおいて、接線方向の臨界曲線近く、単一画像領域にある、z~1.4の単一レンズ銀河である可能性が高いとされています。全マップ光線追跡では、z < 2では対となる画像は予測されず、実際に可視の対称天体は見つかっていません。一方、仮にz = 4.4の天体だと仮定すると、等級22.7程度の対称画像が存在するはずですが、それは観測されていません[arXiv]。
この研究は、公開アーカイブの探索手法(JWSTデータと既存カタログの組み合わせ)によって、元の観測チームが見逃した天体を発見できることを示しています。また、標準カタログ測光が空間分解された光源や重力レンズ天体に対して深刻な誤った結果を生む可能性があることへの警鐘ともなっています[arXiv]。
この研究はarXivで公開され(arXiv:2607.12129、v2版は2026年8月7日改訂)、現在は査読中で、正式な論文として『Publications of the Astronomical Society of Japan (PASJ)』への掲載を目指しています[arXiv]。GO-5293観測チームは電子メールで確認し、これまで誰もこの天体を調査していなかったと認めており、ダビラ氏が発見者であることが確定しています
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完全な確認と正確な赤方偏移の特定には、分光フォローアップ観測と専用のレンズモデルが明示的に必要とされています[arXiv]。