第二に、草案に盛り込まれた核制限の内容が不十分だと考えた。草案にはイランが核兵器を追求しないという誓約が含まれていたが、トランプ氏は、濃縮活動に対するより強力で検証可能な制限と、イランが保有する高濃縮ウランをどのように処理するかについて、より具体的な条項を求めた 。政権当局者によると、トランプ氏は「特にイランの核物質に関する、自身にとって極めて重要な要素を強化すること」に焦点を当てていたという
。
その背後には、相反する圧力に挟まれたトランプ氏のジレンマがあった。ホルムズ海峡を再開すれば、米国のガソリン価格を引き下げる効果が期待できる。しかし、強固な核合意を伴わない形で再開すれば、イランへのいかなる譲歩も受け入れられないと考える共和党内の対イラン強硬派からの強い反発を招くリスクがあった 。
イランの反応は、2026年5月中に多岐にわたって展開された。
この合意の中心的な争点は、結局、未解決のままだった。米国当局者がMOUには核制限が含まれていると主張する一方で、イラン当局者は核問題は後続の交渉でのみ扱われると主張し、根本的な解釈の相違が残ったのである 。
トランプ氏は石油・ガス業界の幹部らと会談し、封鎖の長期化が消費者に与える影響への対策を協議したが、生活費への懸念が「弱腰」の合意を迫る圧力になっていることは公に否定した 。根本的なメカニズムは変わらない。ホルムズ海峡が争奪状態にある限り、世界の石油供給は制約を受け、ガソリン価格は高いままだ。海峡再開の合意は即時の価格緩和をもたらすだろうが、交渉の決裂は更なる急騰のリスクをはらんでいる。
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