今回の資金流出を主導したのは、地政学的リスクの高まり、具体的には中東情勢の緊迫化と、広範なマクロ経済への懸念である。これらの要因が、それまでのポジティブな市場の勢いを完全に覆い隠し、機関投資家を守りの姿勢へと向かわせ、ビットコインやイーサリアムのようなリスク資産の手放しを加速させた。
CoinSharesは、このリスク回避の動きが好材料を上回ったと指摘。今回の流出規模は、2026年に入ってから1月23日の週に次ぐ2番目の大きさとなった。
最も大きなダメージを受けたのはビットコイン投資商品で、14.4億ドルの資金が流出した。これは、2026年におけるビットコインETPの週間流出額としては最大であるだけでなく、前週の記録をも上回り、機関投資家の撤退が一層深まったことを示している。
この大規模な売り越しにより、CoinSharesのデータによれば、ビットコインの年初来の純流入額は、1週間前の26億ドル、2週間前の39億ドルから、わずか12億ドルにまで急減した。米国の現物型ビットコインETFだけで14.2億ドルの解約があり、機関投資家の売りが集中したことが浮き彫りになった。
イーサリアム関連商品もこの流れに飲まれ、2.57億ドルの流出を記録し、自らも3週連続の流出となった。しかし、この全面安の流れは全てに共通していたわけではない。
ごく一部のアルトコインには新たな資金が流入しており、仮想通貨市場からの完全な資金逃避というよりは、むしろ選別的な資金移動が起きていることを示唆している。100万ドル以上の流入を記録したアルトコインはわずか5銘柄のみだった。
これらの流入は、市場全体のトレンドが防御一色となる中でも、一部の投資家が特定の相対的価値に着目した銘柄や時価総額の小さな資産へと資金を再配分している可能性を示している。
今回のデータは、仮想通貨市場が外部からの衝撃に翻弄されている姿を映し出している。地政学的な懸念が強まる中、ビットコインやイーサリアムといった基盤的資産に対する機関投資家の確信は大きく揺らいだ。しかし、XRPのようなトークンへの選択的な買いが入ったことは、一部にまだリスク選好の種火が残っていることも明らかにしている。