事情に詳しい複数の関係者によると、2026年5月下旬の時点で、OpenAIはシティグループとJPモルガン・チェースに対し、IPOの引き受けシンジケート団への参加について協議を行っています 。まだ正式な決定には至っていませんが、この動きは、OpenAIが上場にあたり、ウォール街の総力を結集したい意向であることを明確に示しています
。なお、JPモルガンについては、以前からこの大型案件の準備に関与していると報じられていました
。
ディールの規模を反映し、市場の反応は迅速でした。2026年5月20日、ウォール・ストリート・ジャーナルがゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの主幹事就任を報じると、ゴールドマンの株価は5%以上も急騰しました 。
このIPOを彩る数字は、いずれも驚異的です。OpenAIの直近の非公開市場での評価額は、2026年3月の資金調達ラウンドで到達した8520億ドル。これはシリコンバレー史上最大の民間資金調達として記録されています 。そして株式公開にあたり、同社は1兆ドル(約150兆円)超の企業価値評価を目標として掲げています。これが実現すれば、上場初日から世界で最も価値のある企業の一つとして名を連ねることになります
。
さらに、この新規上場の大きな特徴として、個人投資家への開放が挙げられます。CFOのサラ・フライアー氏は、株式の一部をリテール投資家に割り当てる方針を確認しました。その背景には、2026年3月に行われた第三者割当増資(プライベート・プレイスメント)において、個人投資家からの応募が募集額の3倍に達する人気ぶりを見せたという事実があります。この案件に関わった銀行は「史上最大のプライベート・プレイスメントだった」と評価しています 。
サム・アルトマンCEOが照準を定めるのは、2026年9月の株式公開です 。ただし一部の報道では、SECの審査の進行や市場環境次第で、米国のレイバー・デー(9月第一月曜)から感謝祭(11月第4木曜)の間、つまり第4四半期にずれ込む可能性も指摘されています
。
このスケジュールは、OpenAIを直接的な競争へと導きます。イーロン・マスク率いるSpaceXは、OpenAIに先駆けて自らも1兆ドル規模のIPOを申請しています 。しかし、OpenAIの秘密提出により書類手続きでは一歩リードした形です
。さらに、生成AIで激しく競うAnthropicも同一期間内の上場準備を進めており、投資家の資金と注目をかけたハイリスクな競争が繰り広げられています
。
市場最大の関心事は、これらの巨大企業のうち、どこが最初に上場を果たすのかという点です。OpenAIは極秘裡に届出を完了させ、手続き面では優位に立ちましたが、2026年秋の「メガIPO」ラッシュの口火をどの企業が切り、その後の市場の方向性を決定づけるのか、最終的には市場そのものが決めることになります。
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