現時点では正式な上場申請は提出されていないものの、複数の報道によると復星はすでに銀行団の選定など準備を進めているとされる。もし実現すれば、世界的リゾートブランドを軸にした復星の観光ビジネス戦略の重要な節目となる。
報道によると、復星はクラブメッドの香港上場に向けて以下の金融機関を起用したとされる。
これらの銀行が上場準備を支援しているとみられるが、協議はまだ初期段階であり、他の金融機関が参加する可能性や取引条件の変更もあり得るとされている。
現在の報道ベースの見通しは次の通り。
観光需要の回復を背景に、投資家にとっては世界的なリゾートブランドに投資する機会として位置付けられる可能性がある。
IPOで得た資金は、主に クラブメッドのグローバル展開の加速 に使われる見込みだ。
具体的には以下の分野が想定されている。
近年クラブメッドは、従来のオールインクルーシブ型リゾートをさらに高級化する 「プレミアム戦略」 を進めており、特にスキーリゾートや体験型旅行分野の強化を進めている。
クラブメッドは1950年創業の老舗リゾートブランドで、世界中に拠点を持つオールインクルーシブ型バケーション事業者として知られている。
主な規模指標は以下の通り。
同社は2024年以降、全リゾートをプレミアムまたは「エクスクルーシブ・コレクション」に移行するなど、ブランドの高付加価値化を進めている。
復星とクラブメッドの関係は10年以上前にさかのぼる。
この買収は、中国企業による欧州ブランド取得の象徴的な案件として当時注目された。
実は復星が観光事業の上場を試みるのは今回が初めてではない。
2018年には、クラブメッドなどを含む 復星旅文(Fosun Tourism Group) を香港証券取引所に上場させ、最大 約5億4800万ドル の資金調達を目指した。
その後、この事業体は非公開化されており、今回の計画は クラブメッド単体ブランドを前面に出した再上場の試みと見る向きもある。
この案件が注目される理由の一つは、香港のIPO市場が回復基調にあることだ。
香港取引所のデータによると、2026年第1四半期のIPO実績は次の通り。
このような環境の中で、クラブメッドのような国際ブランドの大型上場が実現すれば、香港市場の復活を象徴する案件の一つになる可能性がある。
ただし、現段階では複数の重要事項が確定していない。
現時点ではあくまで関係者の話として報じられている段階だが、復星が保有する国際ブランドの価値を引き出す動きとして、市場関係者の注目を集めている。