若者は一般労働力人口に比べて 2.5倍失業しやすい 状況にある。一般の世界失業率が4.9%で安定しているのとは対照的だ。
ILOはこの上昇の要因として、弱い経済成長、地政学的な緊張、そして全体的な雇用創出の停滞を挙げている。
失業率以上に深刻なのが、若年層が社会から完全に切り離されている実態だ。ILOは、世界で約2億6000万人の若者 がNEET(就労、教育、職業訓練のいずれも受けていない状態)であると推定する。これは世界の若者のおよそ5人に1人にあたる。
特に状況が厳しいのは 低所得国 で、NEET率は 27.9% に達し、実に3人に1人近くの若者が社会との接点を失っている。ILOは、こうした最貧国における若者の雇用見通しを「非常に厳しい(daunting)」と表現している。
若年女性が不均衡に影響を受けており、地域によるばらつきはあるものの、ジェンダーギャップは依然として大きい。
地域ごとの状況は大きく異なる。先進国などの 高所得国 では、2025年に若年失業率の最も急激な上昇が見られた。ILOはこれを、AIが雇用市場に与え始めている初期の影響と関連付けている。
一方、北アフリカとアラブ諸国 は昔から若年失業率が高い地域であり、世界平均のそれぞれ約2.2倍、1.7倍の水準にある。
パンデミックからの回復は、世界の地域間で極めて不均等なまま終わった。
今回の報告書で中心的な新テーマとなったのは、AIが若者の就職に与える脅威である。ILOは、従来、若者が社会人への足がかりとしてきたルーティンワーク——データ入力、カスタマーサービス、一般事務など——をAIが自動化し始めており、若者の雇用市場を根本から変えつつある と警告している。
これにより、若者は「最初の一歩」となる仕事を得ることがこれまで以上に難しくなっている。高所得国では、高スキルを要するエントリーレベルの仕事を求める学歴のある若者が、特にAIの影響を受けやすいと報告書は指摘する。
同時に、AIは新たなスペシャリスト需要も生み出している。だが、低所得国の多くの若者は、そうした技術職に必要な教育や訓練を受ける機会がない。これは、先進国と発展途上国の間の格差をさらに広げるリスクをはらんでいる。
2026年のILO報告書は、大人の失業率が安定しているにもかかわらず、若者にとっての雇用市場は ますます入りにくくなっている という現実を描き出している。NEET率の上昇、地域間格差、そしてAIによるオートメーション化の初期の影響——これらを総合すると、パンデミック後の回復は若者にとっては短命に終わった可能性が高い。
政策立案者には、低所得国への教育訓練への重点的な投資や、若年労働者がAIによって変化する未来の仕事へと移行できるよう支援する、積極的な戦略が求められる。