最大の話題は、本物のカーボンファイバーにCorning Gorilla Glass製の窓を組み合わせた 底面パネル。透明な窓からは冷却システムや内部コンポーネントが露わになっており、まるで跳ね馬のスーパーカーのエンジンフードを開けたかのような眺めを演出する 。さらに、フェラーリのインテリアにレザーを供給するイタリアの名門ポルトローナ・フラウ社が手がけた、ブランドロゴ入りの専用レザースリーブが付属するのも、所有欲を満たすポイントだ
。
本機はドラマチックなデザインに対し、内部スペックは固定のワン・コンフィグレーションだ。
気になるのは価格とGPUの構成だ。本機の5,599ドル(約99万円)という価格設定は、Apple M5チップを搭載した同程度構成の14インチMacBook Pro(約3,149ドル)と比較して、実に約2,400ドル(約35万円)のプレミアム が上乗せされている計算になる 。
この価格差には、跳ね馬のエンブレム、1台1台に刻まれるシリアルナンバー、ポルトローナ・フラウのレザースリーブ、そしてガラス越しに覗く「エンジンベイ」といった、数値化できないブランド体験が含まれる。箱を開けるとノートPC本体がせり上がってくる凝ったパッケージも、ファンを唸らせる演出だ 。
しかし、約40万円超という価格にもかかわらず、重い3Dゲームやクリエイティブワークに真価を発揮する単体GPU(ディスクリートGPU)を搭載していない という点が、レビュワーたちの間で物議を醸している。本機のグラフィックス性能は、CPUに統合されたIntel Arc B390に依存している 。AI処理能力こそ180 TOPSと高いが、高性能ワークステーション級の価格を考慮すると、割り切りが必要な一台と言えるだろう
。
世界での生産台数はわずか4,999台。この希少性こそが最大の価値であり、このマシンは日々の作業道具というよりも、「跳ね馬を愛する者のためのコレクターズアイテム」としての側面が極めて強い。HPとフェラーリは、価格対性能比という冷徹な計算よりも、デザインの出自と限定生産という熱い物語にこそ、支払う価値があると信じているのだ。
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