両社が12層HBM4E製品のサンプルを出荷したことで、その公表スペックを直接比較すると、競争の構図がより鮮明になる。サムスンが出荷の先陣を切ったが、SKハイニックスの当初の公式スペックは、いくつかの主要な性能指標で優位性を主張するものとなっている。
両者を分ける決定的な違いの一つは、ベースとなるピン速度である。SKハイニックスのHBM4Eは16Gbpsでネイティブ動作するのに対し、サムスンの初期スペックは14Gbpsで、16Gbpsへの拡張が「可能」とされている。同様に、電力効率の改善幅も、SKハイニックスが20%以上であるのに対し、サムスンは16%となっている
。Advanced MR-MUFによる熱抵抗の17%低減という具体的な数値は、AIサーバーラックにこれらのモジュールを高密度で搭載するハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)にとって、重要な判断材料となる可能性がある。
今回のHBM4Eサンプル出荷は、世界中で最も価値のあるAIチップ設計企業であるNVIDIAへの供給をめぐる、数年にわたる闘いの最新章である。
サンプルが主要顧客(通常、NVIDIAやAMD、大規模クラウドサービスプロバイダーが含まれる)の手に渡ったことで、極めて重要な性能検証プロセスが本格化する。顧客企業は、信号の完全性、熱特性、そして自社のアクセラレータ設計との互換性についてメモリを厳格にテストするだろう。この段階での成否が、2027年の登場が見込まれる次世代AIシステム向けの最終的な購入注文と量産規模を決定づける。