ORiSはトリノ工科大学(Politecnico di Torino)で創業され、大学のスタートアップインキュベータI3PおよびESA BIC Turinで育成された。CEO兼共同創業者はAndrea Villa氏。創業チームは2024年にForbes Under 30 Italyに選出されている
。調達発表時点で従業員数は約15名
。
ORiSの中核技術は、送電宇宙機に搭載されたマルチレーザーシステムが、受電衛星の太陽電池パネルに直接電力を照射する仕組み。同社は、このシステムが標準的な太陽電池パネルと互換性があると説明しており、軌道上での再充電、ペイロードの高デューティサイクル運用、日陰通過時の運用継続、そして太陽電池パネルの経年劣化後もミッション寿命を延ばすことが可能になる。
NATO DIANAアクセラレータープログラム内で開発されたLOONAは、ドローンを充電するためのORiSの地上向けワイヤレス給電プロトタイプ。最新のフィールドテスト(LOONA-2)では、旧NATO基地であるカルヴァリーナ訓練試験施設にて、ホバリング中のドローンに対して102mの距離でのワイヤレス送電を実証した。このデュアルユースの道筋は短期的な収益をもたらすと同時に、宇宙向けに開発中の同じレーザー技術の実用的な試験場としても機能する
。
ORiSは、探査車などの月面アセットへのワイヤレス給電を研究している。チームはThales Alenia Spaceと共にこのユースケースのフィージビリティスタディを完了しており、イタリア宇宙機関(ASI)からも月電力インフラに特化したALBS研究プログラムおよびDESIGNプログラムに選定されている。
€500万の資金を手に、ORiSは地上での実証から、宇宙という真空の中でレーザー給電技術が機能することを証明するという極めて重要な次のステップに移行する。2027年初頭に予定される初の軌道上実証が成功すれば、宇宙経済における初のエネルギー配電網構築に向けた大きなマイルストーンとなる。その電線網は、ケーブルではなく、光によって動く。