Qwen3.8-MaxはスパースMoEアーキテクチャを採用しており、MaxクラスのQwenモデルとして初の設計です。 総パラメータ数は2.4兆で、1トークンあたりに活性化されるのはそのうち約950億パラメータ(全体の約4%)に過ぎません。これにより、同等規模のDenseモデルと比較して推論コストを劇的に削減しています。
コンテキストウィンドウは100万トークンをサポート(実用的最大入力は約99万1000トークン、思考モード有効時は約98万3000トークン)。最大出力は13万1000トークンです。
1兆パラメータ超のQwenモデルとして初めて、ネイティブなマルチモーダル入力(テキスト、画像、動画)に対応します。出力はテキストのみです。
独立系プラットフォームArenaのリーダーボードにおいて、Qwen3.8-Maxは以下の順位を記録しています。
Arena上では中国製テキストモデルとして最高位、マルチモーダル/ビジュアル性能では世界2位と評価されています。 PaperBenchでは最高スコア93.0を報告。 Terminal-Bench 2.1では86.6を記録し、Claude Opus 4.8とClaude Fable 5(いずれも84.6)を上回りましたが、GPT-5.6 Sol(max)の88.8には及びません。
APIは即座にQwenCloudおよびAlibaba Cloud Model Studioを通じて公開されました。
レート制限は1分あたり200万トークン、1分あたり1万5000リクエストに設定されています。
Qwen3.8-Maxおよび小型版のQwen3.8-27Bのオープンウェイトは、2026年8月10日頃に公開される見込みで、MaxクラスのQwenモデルとして初のオープンウェイト公開となります。
2026年8月7日、Reutersがスクープ記事で報じたところによると、アリババはQwen3.8-Maxのオープンウェイトを大規模に商用利用するユーザーに対し、収益分配契約の締結を求める計画であることが明らかになりました。 この動きは、月間AIスタートアップMoonshot AIが「Kimi K3」で導入したライセンス手法を踏襲したものです。Kimi K3では、年間売上高が2000万ドルを超える再販業者に対して、最大30%の収益分配を求めています。
主なポイント(Reuters報道および複数の確認報道に基づく)
これまでのQwenリリースでは、商用利用について完全に制限のないライセンスが提供されていました。 この方針変更は、わずか1ヶ月の間に中国の主要AIラボがオープンウェイトリリースに商用条件を付す2例目となり、業界に波紋を広げています。
Qwen3.8-Maxと同時に、アリババは**QwenWork(千問办公)**をローンチしました。これはオールインワンのワークプレイスAIエージェントプラットフォームです。
QwenWorkは、ドキュメント作成、アプリケーション開発、マルチモーダル生成、Web開発、ブラウザ自動化、定時タスク実行など、新フラッグシップモデルを活用した多彩な業務を想定しています。
2026年8月10日、アリババは**Qianwen Open Platform(千問オープンプラットフォーム)**を公開。エコシステムパートナーやサードパーティデベロッパーが、スマートフォン、PC、AIグラスに統合可能なカスタムAIエージェントアプリケーションを構築できるようになりました。 これまでアリババが社内向けに運用してきた千問(Qianwen)AIプラットフォームが、外部デベロッパーに開放されるのはこれが初めてです。
最初のパートナー群は、物流、不動産、資産管理など10以上のセクターに及び、SF Express(順豊速運)、Ziroom(自如)、Midea Group(美的集団)などが名を連ねています。
アリババの2026年8月の発表は、単なるモデルリリースの枠を超えています。以下の5つの要素を統合した、きわめて意図的な戦略です。
中でも収益分配コンポーネントは、AI業界全体にとって最も影響力が大きいと見られています。このモデルが広く普及すれば、「オープンソースAI」が実際に意味するもの、特に大規模な商用展開における定義を根本から書き換える可能性があるからです。