AI需要の拡大に伴い、クラウド企業や企業ユーザーがデータセンター、GPU、ネットワーク設備などへ投資を加速させていることが主な理由です。
AIインフラ投資の中心にいるのが、いわゆるハイパースケーラー(超大規模クラウド事業者)です。主に次の4社が市場を牽引しています。
これら4社の2026年の設備投資(Capex)は合計約7,000億〜7,150億ドルに達する見込みです。
これは2025年の約4,100億ドルから70%以上の増加で、テクノロジー産業史上でも最大級のインフラ投資サイクルの一つといわれています。
投資の主な用途は次のとおりです。
クラウド市場を支配するこれら企業の投資ペースが、AIインフラ市場全体の成長速度を事実上決めています。
AIデータセンターには大量の専用チップが必要です。特に重要なのがAIアクセラレータと呼ばれるチップです。
BofAは、1.7兆ドル市場の大きな部分をAIアクセラレータが占めると見ています。
このため、AIインフラ拡大の恩恵を受ける企業として以下の半導体企業がよく挙げられます。
これらの企業はGPU、ネットワークチップ、メモリなど、AIデータセンターの中核部品を供給しています。
AIインフラ拡大で最も深刻な問題として指摘されているのが電力供給と送電網の容量です。
AIデータセンターは非常に大量の電力を消費します。BofAは次のような問題が顕在化すると警告しています。
特に象徴的な数字として、2030年には世界のデータセンターの電力消費が日本全体の年間電力消費を超える可能性があると指摘されています。
このためAI時代の「ピック&ショベル(基盤産業)」として注目されているのが、
などのインフラ企業です。
これらの動きは、次のような循環構造を生み出しています。
BofAは、このAIインフラ拡張サイクルはまだ初期段階にある可能性が高いとみています。
2030年に約1.7兆ドル規模という予測は、AIが単なるテクノロジートレンドではなく、巨大な産業インフラ投資サイクルになりつつあることを示しています。
ただし、この成長には不確実性もあります。
こうした要素が、AIインフラ拡大のスピードを左右すると考えられています。
少なくとも一つ確かなことがあります。AI競争の主戦場は、もはやアルゴリズムだけではなく、データセンター、チップ、そして電力という巨大な物理インフラに広がっているという点です。