本デバイスはカンファレンス会場でのライブデモンストレーションを通じて正式に紹介されました。なお、2026年7月には同一の332層BiCS10アーキテクチャに基づく1Tb TLC(トリプルレベルセル)NANDのサンプル出荷がすでに開始されており、そのTLC版の密度は29 Gb/mm²超とされています。今回のQLC版は、1セルあたり4ビットの記憶方式によりさらなる高密度化を実現したものです。
サンディスクとSKハイニクスは、Open Compute Project(OCP) を通じてHigh Bandwidth Flash(HBF)の初の標準技術仕様を公開しました。この仕様は、HBM(高帯域幅メモリ)と従来型SSDの間に位置する新たなメモリ階層を定義し、特に大規模AI推論ワークロードにおいて、HBMだけでは経済的にカバーしきれない大容量メモリ需要に応えることを目的としています。
HBFは、HBM(高速だが容量に限りがある)と従来型SSD(大容量だが低速)の間にある速度と容量のギャップを埋めることを目的としています。サンディスクは、HBFは同等コストでHBMの8~16倍の容量を提供可能であり、Llama 3.1 405Bパラメータモデルを使ったシミュレーションでは、理論上無制限のHBM構成との性能差はわずか2.2%以内に収まるとしています。
オープン標準仕様はすでに公開済み。メモリサンプルは2026年後半、商用デバイスは2027年前半に出荷開始見込み。
補足:このパネルタイトルは複数の公式発表で確認されています。正確なパネル詳細はFMS 2026の公式アジェンダでご確認いただくのが最善ですが、「Breaking the Memory Wall」パネルセッションは複数の情報源で一貫して掲載されています。
今回の発表は、AIインフラが直面する2つの根本的な課題——ストレージ密度とメモリ帯域幅——に取り組むものです。
BiCS10 QLC NANDは、トレーニング用データレイクや大容量ストレージ階層向けに、より高密度で電力効率の高いSSDを可能にします。一方、HBFはまったく新しいメモリクラスを定義し、アクセラレータに近接した高速・大容量メモリを提供することで、HBMを拡張する高コストをかけずに推論レイテンシとコストを大幅に削減できる可能性を秘めています。
OCPを通じたオープンスタンダードのアプローチにGoogleやTenstorrentが参加したことは、業界がこの新しいメモリ階層を独自仕様に分断するのではなく、標準化に向けて大きく動き出したことを示しています。