Huaweiの公式発表によると、前世代の「Kirin X90」と比較して、シングルコア性能が23%、エネルギー効率が25%、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)の性能が40%向上しているとのことです 。
このチップは、MacのAppleシリコンやIntelの最新チップとマルチコア性能で競うことを意図していません。その強みはエネルギー効率と、Huaweiのエコシステムとの統合にあります。持続的な消費電力が20W程度であることから、ビデオ編集や大規模なコードコンパイルといった高負荷な処理よりも、一般的な事務作業やメディア消費に適していると言えるでしょう。
MateBook Pro Sの筐体重量はわずか798g、厚さは11.9mmです 。これは、同じく軽量で知られる13インチMacBook Airと比較して約35%も軽いことになります 。
14.2型のタッチ対応有機ELディスプレイは、3120×2080ピクセル(3:2アスペクト比)、リフレッシュレート120Hz、最大輝度1600ニト(HDR時)と非常に高性能です 。しかし、この製品の目玉は「プライバシースクリーンエディション」です。
このプライバシーモードは、ディスプレイ内部にデュアルピクセルアレイ構造を採用することで実現されています 。通常の広視野角表示用のサブピクセルセットとは別に、側面からの光の放出を制限するサブピクセルセットを配置。このモードを有効にすると、画面の内容が斜めからは極めて見えにくくなり、電車内やカフェなどでの覗き見(ショルダーハック)を防止します 。
特筆すべきは、このモードのON/OFFが物理的なメカニカルスイッチによって瞬時に切り替えられる点です 。ソフトウェアの設定メニューを探す必要はなく、筐体側面のスイッチをワンクリックするだけで完了します。
また、カメラ用の物理プライバシーシャッターも別途搭載されています 。カメラは、ディスプレイ上部のWebカメラに加え、ノートPCの天板側にも2つの1080pカメラを搭載しており、書類撮影などにも使えるデュアルカメラシステムを採用しています 。
Huaweiは「スタンダード」、「ソフトライトスクリーン」、「プライバシースクリーン」、「コレクターズエディション」と、少なくとも4つのエディションを用意しています。価格と構成は以下の通りです 。
| バリエーション | RAM | ストレージ | 価格(中国元) | 約USD換算 |
|---|---|---|---|---|
| スタンダード / ベースモデル | 16 GB | 512 GB | 7,999元 | ~$1,180 |
| ミドルレンジ | 24 GB | 512 GB | 8,999元 | ~$1,330 |
| ミドルレンジ | 24 GB | 1 TB | 10,499元 | ~$1,550 |
| プライバシースクリーンエディション | 24 GB | 1 TB | 11,799元 | ~$1,745 |
| コレクターズエディション(最高仕様) | 32 GB | 2 TB | 14,999元 | ~$2,220 |
※注意:一部の情報源ではベースモデルが24GBからとされていますが 、複数の主要報道は16GB/512GBがベースであると一貫して報じています。また、ソフトライトスクリーンエディションの正確な価格は発表時点では詳細に明らかにされていません 。
MateBook Pro Sは2026年8月5日に中国で発売され、同月中に販売が開始されます 。発表時点で、グローバル展開についての公式なアナウンスはありません 。
そして、最大の制約はOSです。 MateBook Pro SはHarmonyOS 6.1を搭載しており、標準のWindowsアプリケーションは動作しません 。互換性はHarmonyOSネイティブアプリ、またはHuaweiが提供するエミュレーションレイヤーに依存します。日本のユーザーが多く利用するOffice、Adobe製品、特定の業務用ソフトなど、Windows専用のツールに依存している場合、これは極めて深刻な問題です。
また、米国による制裁措置の影響で、Huawei製品への部品供給やサービス提供は依然として厳しい状況にあり、中国国外での大規模な発売はさらに困難になっています 。