Huaweiがベトナムのスマートフォン市場に戻ってきた。復帰の切り札に選んだのは、フラッグシップ折りたたみスマートフォンのMate X7だ。
現地では2026年1月23日に発表され、1月30日に発売。価格は54,990,000ドンで、ベトナムでは約5年ぶりとなるHuawei製スマートフォンの本格展開となる。913
8インチの大画面、薄型ボディ、高性能カメラを備えるMate X7は、ハードウェアだけを見ればSamsungのGalaxy Z Fold7に対抗できるモデルだ。ただし、購入を検討する人にとっては、スペック以上にEMUIとGoogleアプリの互換性が重要なポイントになる。
Huaweiがベトナムから撤退した理由
Huaweiがベトナムで最後に正式販売したスマートフォンは、2020年4月発売のP40 Proだった。その後、同社は現地でのスマートフォン事業を段階的に縮小し、販売を停止した。1118
背景にあった大きな問題が、米国の規制によるGoogle Mobile Services(GMS)へのアクセス喪失だ。GMSにはGoogle Play、Gmail、Googleマップ、YouTubeなど、日常的に使われるサービスが含まれる。さらに、米国の輸出規制はHuaweiの重要な部品や技術へのアクセスにも影響を与え、スマートフォン事業全体を圧迫した。1118
当時の報道では、ベトナムにおけるHuaweiのスマートフォン市場での存在感はSamsungなどに比べて小さく、Googleサービスの欠如がユーザー体験上の大きな障壁になっていたとされる。1926
ベトナム版Mate X7の価格と発売日
発売前の1月上旬には、Mate X7は1月末から2月初旬に発売され、価格は少なくとも4,000万ドンになるとの見方が出ていた。これはあくまで予測だった。26
Huaweiが発表した正式な情報は次の通りだ。
- 発表日: 2026年1月23日
- 発売日: 2026年1月30日
- 価格: 54,990,000ドン
- 販売経路: 小売店およびHuawei公式オンラインストアなど7913
約5,500万ドンという価格は、一般的なスマートフォンではなく、最上位クラスの折りたたみスマホを選ぶユーザーを対象にした設定だ。
中国版とは異なるEMUI。Googleアプリはどうなる?
ベトナムで販売されるモデルは、中国市場向けのHarmonyOS版ではなく、国際市場向けモデルと同じくEMUIを搭載すると報じられている。12
ただし、EMUIを採用しているからといって、通常のAndroidスマートフォンと同じGoogle環境がそのまま使えるとは限らない。Huaweiは米国の規制によりGoogle Mobile Servicesへのアクセスを失っており、提供された情報だけでは、ベトナムの店頭モデルにGoogleアプリやGoogleの各種サービスが標準搭載されるかは確認できない。1112
購入前には、次の点を実機または販売店で確認したい。
- Google PlayやGmail、Googleマップ、YouTubeの利用方法
- 銀行アプリや仕事用アプリの動作
- メッセージアプリの通知が正常に届くか
- Googleアカウントを必要とするサービスとの互換性
Mate X7の最大の特徴は、ハードウェアの完成度とソフトウェア環境の間に明確なトレードオフがあることだ。カメラやディスプレイを重視する人には魅力的だが、Googleサービスを日常的に使う人にとっては、スペック表だけでは判断できない。
Galaxy Z Fold7の対抗馬として登場
ベトナムの現地報道では、Mate X7はSamsungのGalaxy Z Fold7と比較されている。どちらも本のように左右へ開く、いわゆるブック型の高級折りたたみスマートフォンだ。5
Huaweiは、Mate X7で大きな内側ディスプレイ、薄い折りたたみ時のボディ、高性能カメラ、プレミアム素材を訴求している。一方、Samsungにはベトナムでの販売網やアクセサリー、サポート、アプリ環境といった既存のエコシステムがある。
そのため、約5,500万ドンを支払う場合は、画面やカメラの性能だけでなく、以下も比較する必要がある。
- Googleを含むアプリの互換性
- 保証と修理サポート
- ケースや周辺機器の入手性
- 長期的なソフトウェアの使いやすさ
薄型ボディと耐久性
Mate X7は、折りたたむと一般的なスマートフォンの形になり、開くと小型タブレットのように使える。サイズは次の通りだ。
- 折りたたみ時: 156.8 × 73.8 × 9.5mm
- 展開時: 156.8 × 144.2 × 4.5mm
- 重量: 約236g(バッテリーを含む)323334
中国市場向けモデルについては約235gとする報道もあるが、Huaweiの国際市場向け仕様ページでは約236gと記載されている。323334
本体には改良型ヒンジと、内側ディスプレイを支える強化多層構造が採用されている。外側のカバーディスプレイには、HuaweiのKunlun Glassが使われると現地報道で説明されている。15
防水・防塵性能については注意が必要だ。中国版ではIP58およびIP59の保護性能が報じられているが、地域ごとに仕様が異なる可能性がある。ベトナムで販売される実際のモデルに同じ認証が付くかは、購入前に確認したい。3443
8インチの内側画面と6.49インチの外側画面
Mate X7は、どちらも最大120Hz駆動に対応するLTPO OLEDディスプレイを搭載する。
- メインディスプレイ: 8.0インチ、2,210 × 2,416、ピーク輝度2,500ニト
- カバーディスプレイ: 6.49インチ、1,080 × 2,444、ピーク輝度3,000ニト323546
閉じた状態では、6.49インチのカバーディスプレイを通常のスマートフォンのように使える。展開すれば8インチの画面となり、マルチタスク、読書、動画視聴、タブレット向けの操作がしやすくなる。41
大画面と薄型ボディの両立は、Mate X7の大きなアピールポイントだ。特に、折りたたみスマホでありながら、閉じた状態でも一般的なスマートフォンに近い使い勝手を目指している。
可変絞りを備えたトリプルカメラ
背面には、次の3つのカメラを搭載する。
- 50MPメインカメラ:可変絞り対応
- 40MP超広角カメラ
- 50MPペリスコープ望遠カメラ:マクロ撮影にも対応53335
特に注目されるのが、メインカメラの可変絞りだ。撮影シーンに応じて絞りを調整できるため、明るさや背景のぼけをコントロールする機能として期待される。中国版については光学式手ブレ補正やペリスコープ望遠レンズも報じられているが、カメラの細部はメモリ容量などの構成によって異なる可能性がある。333942
プロセッサーは地域別仕様に注意
プロセッサーについては、地域による情報の食い違いがある。中国市場向けの通常版にはHuaweiのKirin 9030、Collector's EditionにはKirin 9030 Proが搭載されると報じられている。一方、国際版にProチップを搭載するとする報道もある。53235
Huaweiが公開している国際市場向けの仕様ページでは、プロセッサー名が明確に示されていない。そのため、ベトナムで購入する場合は、現地の製品ページやHuawei Vietnamの案内で、実際のSKUに搭載されるチップを確認するのが安全だ。
中国版や初期の国際版報道を、そのままベトナム版に当てはめるべきではない。
RAM・ストレージと中国での価格
中国市場向けの通常版では、次の構成が報じられている。
- 12GB RAM+256GBストレージ: 12,999元
- 12GB+512GB: 13,999元
- 16GB+512GB: 14,999元
- 16GB+1TB: 15,999元
- Collector's Edition: 14,999元から。大容量メモリ・ストレージ構成も展開23347
ベトナムでの54,990,000ドンという価格は、中国市場の全構成ではなく、特定のプレミアム構成に適用される可能性がある。現地版のRAMとストレージ容量は、注文前に確認したい。13
バッテリー、充電、カラー
中国版の通常モデルには、約5,300〜5,525mAhのシリコンカーボンバッテリーが搭載されると報じられている。Collector's Editionは5,600mAhとされる。101537
充電性能は、最大66Wの有線充電と最大50Wのワイヤレス充電に対応する。101537
中国市場では、次のカラーが用意される。
- Obsidian Black
- Cloud Brocade Blue
- Cloud Brocade White
- Cosmic Red
- Phantom Purple
ただし、ベトナムで全カラーが販売されるとは限らない。53347
購入前に確認すべき5項目
ベトナムでMate X7を購入するなら、実際の販売モデルについて次の5点を確認しておきたい。
- Googleアプリ、銀行アプリ、仕事用アプリ、通知機能が必要通りに動くか
- 搭載されるKirinプロセッサーの種類
- 54,990,000ドンで販売されるモデルのRAMとストレージ容量
- ベトナム版の正式なIP等級や防水・防塵認証
- 充電器が同梱されるか、66W・50Wの充電性能に対応するか
HuaweiのMate X7投入は、単なる新製品の発売ではない。5年ぶりにベトナムのスマートフォン市場へ戻る同社にとって、最上位の折りたたみモデルでSamsungに挑む再出発でもある。
Mate X7は、ディスプレイ、カメラ、薄さという点では十分に注目に値する。一方で、実際に買う価値があるかどうかは、Googleサービスを含むEMUIの使い勝手と、ベトナム向けモデルの仕様がどこまで明確かにかかっている。