2016年半ばに大学院を卒業後、王氏は一時的にドローン大手のDJI(大疆創新)にエンジニアとして入社しましたが、約2ヶ月で退職し、自らの会社を設立することを決意。XDogは国際的なメディアの注目を集めており、王氏はその設計を売却するオファーを断りました
。エンジェル投資家の支援と、自身の約12,000ドルの貯蓄を元手に、宇樹科技が誕生しました
。
同社は当初、消費者向け、研究用、産業用の四足歩行ロボット(Go2、B2、A2シリーズ)を専門としていましたが、2024年から人型ロボットの生産を開始。今回のIPOにより、36歳の創業者である王氏は、その保有株式に基づき推定24億ドルの資産を持つビリオネアとなりました
。宇樹科技の人型ロボットは、2025年の中国中央電視台(CCTV)の春節聯歓晩会(Spring Festival Gala)でもパフォーマンスを披露し、同社の知名度を一気に押し上げました
。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 取引所 / 市場 | 上海証券取引所 科創板(ティッカー: 688836.SS) |
| 公開価格(1株あたり) | 150.80元(約22.34ドル) |
| 売出株式数 | 約40.45百万株(上場後の発行済み株式数の10%) |
| 総調達額 | 約61億元(約9億400万ドル) |
| IPO評価額 | 約610億元(約90億ドル) |
| PER(株価収益率) | 約219倍 |
| 個人投資家向け応募倍率 | 8,000倍超(報告により5,526倍~8,289倍) |
| 個人投資家向け当選確率 | 約0.018% |
| 申込期間 / 払込日 | 2026年8月10日~12日 |
個人投資家からは978万件の注文が殺到し、その注文総額は約8.1兆元(約1.2兆ドル)に達しました。これは、先月メモリーチップメーカーの長鑫存儲(CXMT)が記録した7.1兆元を上回る規模です。約0.018%という極めて低い当選確率は、申し込んだ約5,500人のうち1人しか株式を割り当てられなかったことを意味します。なお、機関投資家向けの一部が個人投資家向けに振り向けられるクローバックが行われています
。
宇樹科技の売上高の軌跡は劇的で、四足歩行ロボットから人型ロボットへの急速なシフトが原動力となっています。
収益性: 宇樹科技は2025年に黒字転換を果たしました。株主帰属の調整後純利益は約6億元(約8,900万ドル)に達し、世界でも数少ない収益性のある人型ロボットメーカーの一つとなりました。標準会計基準での純利益は約2億7,800万~2億8,000万元となっています
。
製品カテゴリー別の売上構成の変化:
| セグメント | 2024年(通年) | 2025年(1~9月) |
|---|---|---|
| 人型ロボット | 約27.6% | 約51.5% |
| 四足歩行ロボット | 約59.5% | 約42.3% |
| 部品・その他 | 約12.9% | 約6% |
人型ロボットは2025年、初めて宇樹科技の最大の収益源となりました。2025年第1~3四半期の売上構成比は51.5%に達し、2024年通年の27.6%から大きく上昇しました。2025年通年では、人型ロボットの売上高は8億6,800万元に達し、本業収入の51.78%を占めています
。
2025年末時点の累計販売台数は、四足歩行ロボットが33,294台、人型ロボットが5,632台となっています。宇樹科技は2025年に5,500台以上の人型ロボットを出荷し、その約70%はアルゴリズム研究や教育目的で海外の大学や研究機関に輸出されました
。目論見書のデータによると、人型ロボットの売上高全体の約74%は研究・教育部門からのものです
。
IPOおよびプレIPOラウンドには、以下の強力な顔ぶれの戦略的投資家が参加しています。
入手可能な情報源には、宇樹科技を特に標的とした米国の輸出規制に関する詳細な分析は含まれていません。しかし、米中テクノロジー分断の広範な文脈から、以下のような構造的リスクが浮かび上がります。
注記: 上記の逆風は、米中テクノロジー分断の広範な文脈から推測されるものです。入手可能な情報源の中に、調査日現在で宇樹科技を特定の米国制裁措置に明示的に名指ししたものはありません。