本作の中心は何と言っても戦闘システムです。多くのレビュアーが、リアルタイムで武器を切り替えるシステムとシールドの使い勝手を絶賛しています。この2つが組み合わさることで、テンポが良く満足度の高い戦闘ループが生まれています。ボス戦や主要ダンジョンは、軒並み「素晴らしい」と評価されています 。
世界はオープンエンドで自由度が高く、収集要素やアップグレード要素も「やりすぎ」にならない絶妙な量に抑えられています。Bleacher Reportは「若いプレイヤーにも十分シンプルだが、高難易度を試すプレイヤーには底知れない深みがある」と評しました 。約20時間というプレイ時間も、物語が中だるみせず、快適に駆け抜けられる長さだと好評です
。
スクウェア・エニックスのHD-2Dエンジンはここにきてさらなる進化を見せています。「球面」のように湾曲した背景のスクロール表現が、クラシックな見下ろし視点に目を見張るような垂直方向の奥行きを与えています。ファミ通をはじめ、多くのメディアがこのビジュアルを高く評価しており、歴代のHD-2D作品の中でも最高峰の出来栄えと見る向きもあります 。
ストーリーは、本作の弱点として最も頻繁に挙げられるポイントです。Kotakuは「無難なストーリー」と「平板なキャラクター」を「好きになれなかった点」に明記し、Gamereactorはプロットを「紙のように薄い」と一刀両断しました 。総じて、ゲームプレイの質に物語が全く追いついていない、というのが共通した不満のようです。
本作の目玉であるタイムトラベルにもかかわらず、訪れる4つの異なる時代が「実質的にすべて同じ」だとGamereactorは指摘しています。これではせっかくの中核的な仕組みが活かしきれておらず、全体の構造も「奇妙」と評されました。また、一部エリアでパズル要素が足りないことも、期待値を下回った要因のひとつです 。
一部のレビュアーは、プレイ中に感じる難易度の急上昇を指摘しています。さらに、ある動画レビューでは、3つあるエンディングのうち、1つは「恐ろしいほど納得感がない」結末、もう1つは「何の答えも示さないハッピーエンド」、そして真のエンディングは「バカみたいに開放条件が難しい」と酷評されていました 。
賛否両論ありつつも、批評家たちの総意は「条件付きで強く推奨」です。『エリオットの冒険:ミレニアムテイルズ』は決して完璧な傑作ではありませんが、ターゲットとするユーザー層にとって最も重要な要素でしっかりと成功を収めています。秀逸な戦闘、探索の楽しさ、そして芸術的なHD-2Dグラフィックが、物語やワールドデザインの物足りなさを補ってあまりあるのです。
あるレビューが端的にまとめたように、本作はまさに 「不完全だが、素晴らしい冒険」 です。でこぼこはあれど、最終的には十分に満足できる作品であり、特に往年の『ゼルダの伝説』や『聖剣伝説』に思い入れのあるアクションRPGファンであれば、その粗さも気にならないほど深く楽しめる冒険になるでしょう 。